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恋心5
ああ、そんな事よりもスーツがシワになる。
上着を脱がしてネクタイも外す。
熱あるからラフな格好が良いよな?と自分のパジャマを出してきた。
西島はちゃんとパジャマを着て寝る派。
仕事と寝る事をキチンと分ける為だ。
ズボンのベルトを外して、気付く、碧を裸にしている事を。
シャツのボタンはほぼ外した。
だからチラチラと肌が見える。
彼の色の白さにベルトを外す手が躊躇して、いや、やましくない!
脱がしてるのは着替えさせる為だし!
ぜーんぜんやましくない!
西島は自分に言い聞かせる。
それに佐藤は子供だ。
こんな、子供にやましい気持ちとかない!
西島は見ないようにしながらズボンを脱がせた。
そして、シャツも脱がせ、碧はパンツ一枚に。
見ない見ない。着替えさせてるだけ。
西島はパジャマの上を着せる為に碧の身体を少し持ち上げる。
細い腰…
滑らかそうな肌はきっと女性よりも綺麗。
いや、違う違う、そんな事思わない思わない!
上着に碧の腕を通しながら、つい胸元へ目が、乳首、ピンク色とか、
見てない見てない、
首細いとか、もう全然、
パジャマのボタンをすべて締めると、小柄な碧には西島のシャツはぶかぶかで、太ももくらいまで丈があるから、下は穿かせないでシーツをかぶせた。
西島はソッコーでトイレへ。
あー、くそっ!
可愛いんじゃー佐藤のぼけえーーっ!
ぶかぶかの自分のパジャマを着た碧はたまらなく可愛く見えた。
あんな子供に!
乳首ピンクとか、細い腰とか、佐々木が見たら碧を抱いている。
しかも無理やり。
くそっ、俺は違う!
佐藤に欲情なんてしない!
いんや、してないからな!
トイレで悶える西島であった。
◆◆◆◆◆
と、とりあえず会社に戻ろう!
西島は碧が眠っているか確認。
スースー聞こえてくる寝息と、長い睫毛が強調された寝顔。
本当、こいつは男か!
寝顔は凄く幼くて可愛い女の子みたいだ。
ピンク色の柔らかそうな唇と、熱のせいで少し赤らむ頬。
碧の額に熱さましシートを貼り付け、メモ紙にを残し部屋を出た。
あーっ、くそっ!
頭をブンブン振りながら神林の車に乗り込むと着信が鳴り響く。
上着のポケットから携帯を出す。
佐々木からの着信。
もう嗅ぎ付けたのかと西島は嫌々ながら電話に出た。
「碧ちゃんお持ち帰りか西島」
モシモシもなく、第一声がそれである。
人聞きの悪い。
「送って行っただけだ」
「お前、碧ちゃんち知らないだろ?住所教えてやろうと思ったんだけどさ」
「住所?お前ストーカーか」
「ストーカーではない。って言うか碧ちゃんち、お前のマンションの近くだぞ」
「は?」
「マンション近くに公園あるだろ?その真横のアパート」
えっ?公園?
西島は碧が公園と言ったのを思い出す。
確かに、野良のにゃんこが居る公園の横にアパートがある。
えっ?マジで?
碧に聞こうにも眠っている。
「で、碧ちゃんは今一緒か?」
何かを探るような聞き方をする佐々木。
確かに時間的には碧のアパートに余裕で着いている時間。
しかも、知らないとなると何してた?となる。
「佐藤は俺の部屋だ」
「で、碧ちゃん食ったわけだ……食ってる最中なら悪かったな」
「食うかボケッ!」
西島は力いっぱい怒鳴った。
本当にコイツの脳内はエロ一色だ!
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