18 / 526

恋心7

ゴクゴクと液体が流れ込む度に喉元が動く。 そこにはちゃんと喉仏がある。 それさえなければ今の碧は女の子みたいだ。 結構な量を飲んだ碧は飲むのを止め、ぷはっと息を吐く。 飲んだ量を見た西島はそんなに喉が乾いていたのかと思い、神林の言う通り戻って来て良かったと思った。 西島は碧の手からペットボトルを取り、 「ほら、ベッドに戻れ」 と言葉をかける。 碧はコクンと頷き、何故か西島の方へ身体を向けると西島の腹の辺りに抱きついてきた。 おわあぁぁーっ!! 叫びそうになるのを必死で堪える。 抱きついてきた碧は西島の膝の上で寝息をたて始めた。 えっ?えっ? スースーと聞こえる寝息と、伝わる碧の体温。 自分の身体にしがみついて眠る碧は子猫みたいに見える。 甘えて膝に乗る子猫。 でも、その子猫は妙な色気を放つ。 シャツが捲り上がり、下着が見えて、そこから伸びる碧の足は体毛が薄く、少女の足みたいに見える。 まだ、成人ではない碧は髭も目立たないツルツルな肌。 少年という言葉が似合う。 碧は女の子よりもエロい。 佐々木の言葉がもう何度もフラッシュバックしている。 やばい、まじやばいから! 西島は碧を抱き上げた。 エロい格好をずっと見れる程、西島は人間が出来てない。そう思ってしまったのだ。 その証拠に股間が元気になっている。 有り得ないだろ……こんな子供に! だけど、碧は少女みたいだ。 少女はもちろん、少年を性の対象にした事が今まで無かったのに。 ただ、アメリカで生活していた時に少しの間、男と暮らしていた。 碧をベッドに降ろして寝かせる。 額を触ると熱い。 また上がったのかと、熱さまシートをまた額に貼る。 「熱い……よう、ゆきち」 碧の寝言。 ゆきち? ああ、猫か。 確か猫の名前だ。 西島は碧の頭をゆっくりと撫でた。

ともだちにシェアしよう!