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逃げてばかりではダメなのです。4話
◆◆◆◆
碧をベッドに寝かせた西島。
疲れている彼をみて、物凄ーく反省してしまう。性欲凄すぎだろ?自分?と。
でも、碧を見ると触れたくなるし、抱きたいと思ってしまうのだ。
自分も横で寝ようと思うのだが……しっかりと目が覚めており一緒にベッドに寝るとムラムラしそうで怖い。
碧の頭を撫でて、寝室を出た。
◆◆◆◆
「あれ?神林まで……まだ寝てて良い時間だろ?」
リビングに行くと此上と神林と諭吉が揃っていた。
「まあ、朝ごはん作るにも早いよな」
此上は時計を見る。
「千尋こそ、寝てなくて良いのか?酔いはもう醒めた?」
「うん」
神林に聞かれ返事をしながら冷蔵庫を開ける。
「おお!ニッシー、ワシはミルクで良かぞ」
諭吉がすかさず側に来た。
「お前なあ、水でいいだろ?太るぞ?」
「こんくらいで太りゃせんわ!」
「本当、お前は!」
西島は猫用ミルクを冷蔵庫から出すと容器に入れ、少し温める為に電子レンジへ。そして、神林と此上の視線に気付いた。
はっ!!しまった!独り言だと思われる!つーか、まだ酔ってるだろ?って絶対に言われる!
そう覚悟して2人を見つめて笑って誤魔化そうとした。
「本当、普通に会話するんだな」
此上に言われ、やばい!本当に変な奴だと思われる。酔ってるから寝ろとか言われる。内心思った。
「えっ?あっ、いや……ねえ?」
どう誤魔化そうかと考えるが咄嗟に言葉が出てこない。そうこうしている間に電子レンジの温めるが終わる。
「ニッシー早うミルクば!!」
足元で催促される。
「うるいなあ」
自然に言葉を返して、はっ!!とまた気付く。
ど、どうしよう酔ってる振りした方が誤魔化しききそうだな。なんて何がえながら諭吉にミルクを与える。
「千尋、諭吉にニッシーって呼ばれてんだな」
「うるさいなあ…………えっ?あっ?」
此上の言葉に少し怒りながら返して彼が言った言葉を脳内再生させた。
今……此上は諭吉にニッシーって呼ばれているって言った?間違っていない?
ゆっくりと此上を見る西島。
「諭吉の声聞こえるぞ?俺もトオルも」
ニコッと2人に微笑まれた。
「えっ?えっ?はっ?まじ?」
何度も諭吉と此上達を交互に見る。
「さっきね、諭吉の声が聞こえてビックリしたよ、俺もちょいちょい、諭吉が何か言ってるのを聞いててさ、でも、猫だし?って気のせいかと思ってたら本当に喋った」
神林の説明に西島はどうしたら良いのかとフリーズしている。
「えーと」
「諭吉すごいな」
此上に微笑まれて「あ、うん」と答えた。
今度は西島が驚く番になってしまった。
2人にも声が聞こえるという事に。
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