22 / 526
恋心11
****
諭吉を連れて来ると言って出て行った西島。
碧はきゃーと騒ぎたいくらいにテンションが上がった。
夏姉ちゃん、部長は凄く優しいよ!
諭吉まで連れて来てくれるって!
今すぐに夏に教えたいくらいに舞い上がる碧。
自分の部屋に泊めてくれて面倒見てくれているだけでも凄いのに。
ベッドにくるくるとシーツにくるまりながら、ふと気付く。
ベッドに西島の甘い香りが染み込んでいる。
クンクンと猫みたいに匂いを嗅ぐ。
部長の匂い。
抱き上げられた時も、胸に顔がついた時も甘い香りを感じていた。
そうだ、抱っこされたんだ部長に!
ひゃあ~、 頭で映像を再生させると顔が熱くなる。
部長に抱っことか!
悶える碧はもう1つ重要な事を思い出す。
自分が着ているシャツ!
このシャツからも西島の香りがする。
ブカブカなシャツ。
これ、部長のシャツだよね?
碧はベッドから降りて立ってみる。
ブカブカだ。
袖も指しかでないし、裾も太ももより下。
部長、大きいもんね。
周りをみると碧のスーツはハンガーにかけてある。
まるで子供服みたい。
自分でそう感じてションボリとなった。
西島みたいに背も高くてカッコ良い大人になりたい。
で、また、気付く。
このシャツ着せてくれたの部長?
だって僕はシャツを着た記憶はないもん。
うわあああーぁ!!!
悶えそうになる。
はーずーかーしーい!
きっと僕の貧弱な身体を見て部長は呆れたかも!
チビでガリガリ。
学校でも女の子よりも女の子らしいとからかわれた。
あ、パンツ!
裾をまくりパンツを見る。
ボクサーパンツ、変じゃなかったかなあ。
でも、トランクスよりは大人のパンツだよね?
碧は中学まではブリーフで高校に入った時に兄達からブリーフは子供が履くやつだからとトランクスを貰った。
でも会社に入る時に夏に大人はボクサーパンツよ。と言われてそれに変えた。
部長もボクサーパンツかな?
なんて考えて碧は西島の裸を想像してしまい顔が真っ赤になり、ベッドで悶えるのであった。
ともだちにシェアしよう!