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逃げてばかりではダメなのです。11話
◆◆◆
「恵さん今日、弟さん帰ってくるんですよね?」
ソファーでゴロゴロしている恵に話しかける愁。
でも、恵が無反応なので顔を覗き込み「いじけるのいい加減にして貰えません?」と真顔で言う。
「な、なんだよ、別にいじけてない」
「恵さんって分かりやすいですよねえ……まあ、そんな所も好きなんですけどね」
愁はそう言うと恵の上に乗る。
「なんだよ?」
「慰めてあげようかと」
「昨夜も散々やっただろ?」
「やったのは俺の方なので今は俺が恵さんのを挿れるんです」
愁は恵の穿いているジーンズのボタンを外すとファスナーを下ろす。
「本当、お前、好き勝手やりやがって」
「ネコの恵さん可愛いんですもん!」
なんて言いながら恵のジーンズと下着を脱がせて下半身モロだしにさせた。
「喘ぐ恵さん可愛いです」
愁はそのまま恵のモノを口に咥える。
「んっ……」
声が出る。
いつの間にか愁との関係が逆転してしまい……今は自分のマンションに帰らず愁の部屋に入り浸っている。
そして、毎晩、愁に抱かれるのだ。
ずっとネコをやっていた愁は意外と攻めるのが上手いのだ。
すっかりいかされてしまって、突かれる悦びを身体に植え付けられてしまった。
バッグが特に気持ちが良くて昨夜も散々、愁に後ろから突いて欲しいとねだってしまったのだ。
愁はフェラも上手い。
身体を起こしてフェラをする愁を見下ろす。
美味しそうに口に咥えて自分を上目遣いで見てくる。
「愁……俺に挿れろ」
頭を撫でながらに言うと愁はニヤリと笑う。
「素直な恵さん好きです」
愁はフェラを止めて自分も下を脱ぎ、そして上も脱ぐ。
「恵さんも脱いで」
「愁が脱がせろよ」
「甘えるのもいい感じですね」
愁は恵の着ているシャツを脱がせた。
「恵さん……俺は恵さんに毎日好きって言ってますけど、恵さんは言ってくれませんよね?まだ弟さんが好きですか?他の男のモノになったのに」
愁は恵をソファーに押し倒すと彼の両足を広げた。
「星夜はもう諦めたよ」
組み敷かれて愁を見上げる。
「他の男に抱かれまくりですからね」
「うるさいよ、お前……なんだよ?ヤキモチかよ?」
恵は両手を伸して愁を自分の方へ引き寄せると「お前以外に俺の面倒見れる奴いねーだろ?」と言った。
「それって好きって意味ですか?」
「好きじゃなきゃ抱かれないだろ」
「俺に突っ込んでいた時は好きじゃなかったんですか?そう聞こえますけど?」
「お前、めんどくせえなあ……分れよ!」
恵は愁の唇にキスをする。
「好きだよ愁」
「ずるい……」
「は?なんだよ、好きって言えって言ったクセにずるいとか……」
「俺に何回惚れ直させる気ですか?」
真っ赤な顔で恵を見つめる愁。
「お前……」
平気でセックスさせてきたクセに告白されると真っ赤になる。こんなに可愛かったのかと知った。
「何回でも」
恵はそのまま愁を抱き締めた。
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