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逃げてばかりではダメなのです。16話

◆◆◆ 「ちひろさん、公園でヒロちゃんに会いました」 着替える西島に報告をする碧。 「おじいさんのお友達だったかな?」 「そうです!ヒロちゃんちひろさんと同じ年齢の息子さんがいるんですって!その人も猫が好きでカッコイイんですって」 西島はカッコイイという言葉にピクリと反応をする。 「えっ?カッコイイって……碧会ったのか?」 自分以外の男の話に加え、カッコイイという聞きたくないワードが出てしまい、西島は気が気じゃない。 「えっ?会ってませんよ、ヒロちゃんがカッコイイです。息子さんはヒロちゃんの若い頃に似てるらしいから……会った事ないけどカッコイイって思います、それに猫好きだから」 西島の心のざわつきに気付かず碧はニコニコしながら話を続ける。 着替えを終えて西島は碧と向かい合わせに立つと彼をぎゅー抱きしめた。 「俺だって猫好きだし、カッコイイかは分からないけど……」 ちょっと拗ねたように言う。 「ちひろさん……?」 どうしました?と西島の顔を見ると、拗ねたような顔。その顔は普段、部長をしている彼とは思えないくらいに可愛くて碧は微笑む。 「ちひろさんが1番カッコイイです」 「本当?」 嬉しそうに笑う西島。 「はい」 碧が返事すると優しく微笑む。 あっ……、 その優しい顔がヒロちゃんとダブった。 ああ、そうか!見た事あるって思ったら……ちひろさんに似てるんだあ。 さっきまで何だろうと考えていたモノがたった今解決した。 ちひろさんに似てるのかあ。ああ、だからヒロちゃんに好感が持てるっていうか安心感があったのかと碧はヒロちゃんに惹かれる理由が分かった。 「ふふ、ちひろさんが1番好きです」 碧はぎゅーと西島を抱きしめた。 西島も更に抱きしめる腕に力を込める。 そして、まさか自分自身にヤキモチ妬いたという事には気付いていない。 ◆◆◆ 「碧ちゃんと何話していたんですか?」 車を運転しながら質問をする此上。 「千尋の話」 「は?言ったんですか?」 此上は驚き、つい、ヒロちゃんの方を見る。 「危ないぞ、よそ見は……いや、千尋の名前は出していない……ただ、息子がいるって話しただねだよ」 「ああ、なるほど」 「あの子と会話するのは楽しい、癒されるよ……千尋もあの子に癒されているんだろうね」 「そうですね……あの子の周りの人達も癒されていると思いますよ」 「素直ないい子だ」 「そう思います」 そんな会話をしながら車を走らせ、彼の家に着いた。 「どうせなら連絡してくださいよ……送りますから」 車を降りるヒロちゃんに声をかける。 「年寄り扱いするな!」 笑って此上に手を降り家へ入って行った。 「碧ちゃんがこっちの味方についてくれたらなあ」 碧の言う事は聞いてくれそうだなっと思う此上だった。

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