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部長が運命の人ですか?

****** にゃ~ 諭吉の鳴き声。 「ん……諭吉」 手を伸ばして諭吉を捜す。 モフンと手があたり、 諭吉だと手を動かして撫でた。 でも、 手触りが諭吉じゃない……… 碧は眠い目を開けて手の先にあるモノを見る。 頭? えっ?頭? 「に~」 諭吉がその頭の近くに居る。 身体を起こしてみると、西島の頭を撫でていたと理解した。 ぶ、部長! 僕は部長の頭撫でていたのかあ~! ちょっと慌てたが、西島が寝ていると気づきホッとする碧。 身体を完全に起こして西島の様子をみる。 熟睡中の西島。 もしかして、ずっとこうやって、自分を看病してくれたのかと顔がふにゃんと緩む。 えへへ、部長優しいですね。 嬉しいです。 西島の寝顔を見つめる。 ほわあ~部長って、寝ててもやっぱり格好いい! ずっと見てたいなあ。 西島を見ていたら幸せな気持ちになる。 碧は静かにベッドを抜け出して、西島がハンガーに掛けてくれている上着のポケットから携帯を出して、 『ごめんなさい部長』 心で呟き、碧は寝顔をカメラで撮した。 隠し撮りはいけない事だけど、寝顔をどうしても撮したくて、シャッターボタンを押した碧。 保存して、もう一度画像を確認。 『やっぱり可愛いです部長』 満足して上着に携帯を戻す碧。 もう一度寝顔を見ようと前に出ようとすると、諭吉が足元にまとわりついて、きてバランスを崩す。 倒れそうになり咄嗟に掴まったモノは西島の身体だった。 でも、滑ってしまい床にバタンと倒れる。 何かがぶつかってきた後に物音がして西島は目を覚ました。 足の近くに何かがある。 よく開かない目でそこを見ると碧の頭。 えっ?佐藤? 床に倒れる碧の姿。 「佐藤どうした!」 慌てて碧の名前を呼ぶ。 「いたっ」 碧はゆっくりと起き上がり西島を見上げた。 「ぶちょお」 倒れた時に膝と腕を打ち付けた碧は痛みで涙目。 足をペタンと床に付けてW文字で座り、太ももまで丸見えの碧。 ぐはっ、 西島はその姿に悩殺されそうだった。 白い太ももに視線が思わず行ってしまい西島は、 ああ、何を見てるんだー俺のアホッ!と頭を振る。 気を取り直して、 「どこを打ったんだ?」 と碧の心配をする。 「ひざ……とぉ、うで……」 結構激しく打ち付けたからジンジンと痛みが襲ってきている碧はまたもや涙で瞳を潤ませて訴える。 西島は、ぶっちゃけ……… 涙目の碧が可愛すぎて悶えそうだった。 もう、一々可愛すぎて軽く果てそうだ。 しかし、それを見せるワケにもいかず、 碧をひょいと抱き上げた。 悩殺姿で涙目なんて目の毒。 ベッドに座らせた。 ひょいと抱き上げられた碧は、 ぶちょおーっ! 心臓が口から出るって表現は正しいかも知れないと碧は思った。 ドキドキして、 たくさんドキドキして、 ドキドキという擬音が部屋中に舞っているかも!ってくらいに心臓が激しく動いていて、本当に口から出るんじゃないかと碧は思った。 ベッドに座らせてくれた西島。 膝を見ているようで、恥ずかしさでさらに心拍数が上がる。 打ち身っぽいけどなあ。 西島は碧の膝を見つめながら考える。 折れたりヒビが入ってはいないようだけども………… うーん……………っ、 ****** 「碧ちゃん」 1時間後、神林が顔を出した。 「えっ?神林先生」 キョトンとする碧。 「怪我したんだって?ちょっと見せてね」 ニコニコ笑いながら碧の膝と腕を診察する神林。 その姿を諭吉を抱っこして見つめる西島。 もしかしたら?を考えて神林を呼んだ西島である。 「ニッシーは心配性なんやな」 耳元で聞こえる諭吉の声。 あははは、猫から心配性とか言われたし! 猫は喋らない!なんて自分に思いこませるが、 「ほっとけよ」 と返事を返す。 「なあ、ニッシー、マグロ」 「あー、マグロ、マグロウルサい」 面倒くさそうに返事を返す西島。 「西島、お前、猫と話せるのか?」 神林の声にギクリとする西島。 諭吉の声はやはり他人にも聞こえるのか?

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