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好きになってもいいですか? 5話
◆◆◆◆◆◆◆
片付けが終わり、西島が碧の為に寝室へテレビを運ぶ。
西島と一緒にテレビを見れる事が碧は凄く嬉しい。
いつも、部屋で1人で見ていたバラエティー番組やドラマが何時もより面白く感じる。
「部長は好きなドラマとかありますか?」
「ドラマ?あんまり見ないんだ。」
「そうですか‥‥‥」
会話終了的
碧はもっと西島の情報が欲しかった。だって、共通の話題があればもっと話せる。
会話終了となり、しばしの沈黙。
「あ、ほら、1話見逃すと見るきが失せるって言うか、昔は良く見てたよ、キムタクのドラマとか」
えっ?部長の口からまさかのキムタク。
碧はちょい驚く。
「部長、キムタク好きなんですか?」
特に好きって訳ではないが、共通の話題を手に入れれるかもしれない!そんな期待感。
「あ、好きって、わけじゃないんだが、世代が近いから、向こうが結構上だけどね。」
あっ、そうか、世代が同じ!
碧はそんな些細な情報も嬉しい。
「憧れみたいなものかな。」
部長に憧れられるキムタクが羨ましいとさえ思える碧。
「佐藤は好きなドラマとかあるのか?」
「えへへ、実は僕もあまりドラマ見ないんです。猫の動画とか見た方が楽しいし、それに1人で見てもあまり楽しくないですから。」
そう言う碧が寂しそうに見えて西島はきゅんときた。
やはり、寂しいのか?
あぁ、そうか、
甘えているのか!
「ひ、1人暮らしはまだ慣れないのか?」
「慣れないとダメですよね、社会人だし!でも、実家では兄と部屋が一緒でしたから、たまに1人で寝るのが寂しかったりします。」
えへへ、と恥ずかしそう笑う碧。
1人で寝るのが寂しい!?
ど、どういう意味だ!
まさか!
一緒に!
西島は碧をチラリと見て、様子を伺う。
碧と目が合う。
寂しそうに見えるのは気のせいか?
それとも、やはり甘えているのか!
うん!甘えているのだろう!
「佐藤!もう、寝よう!」
西島は立ち上がると、碧と一緒にベッドへと思いきって入った。
ギシッっとベッドがきしみ、西島の方へマットが少し下がる。
西島の突飛な行動に碧は心臓が壊れるんじゃないかと思った。
えっ?ええっ?
何?
オロオロというか、ドギマギする碧。
ぶ、部長、どどど、どうしたんですかーっ!
意識し過ぎて西島の方を見れずに俯いたままの碧。
よし!ベッドへと入ったぞ!
西島はその後をどうしようか考える。
本を読み聞かせる?
イヤイヤ、佐藤は幼児じゃないな!
じゃあ、寝かせるだけで良いのか?
考えても良い案は浮かばない。
「佐藤はお兄さん達と寝てた時は何をして貰ってた?」
結局は碧本人に聞くしかない。
「えっ?あ、あの、何も‥‥‥」
一緒に寝ていたの意味は部屋が同じだっただけなのだが、今更、部長の勘違いですよ。とは言えない。
「そうか、じゃあ、もう横になろう!」
西島は碧に横になるよう促す。
‥‥‥‥‥‥‥で、
互いに横になってはみたものの、沈黙が続く。
ぶぶぶ、部長!無理です!緊張して眠れません!
碧は真横に西島を感じ意識して眠れない。
う~ん、一緒に寝たものの、どうしたものか!
チラリと碧を見てみると、目を閉じている。
えっ?もう、寝たのか?
再度、確認するが、寝ているように見える。
そうか、もう寝たのか。
やはり、甘えていたのか‥‥‥!
可愛いな、佐藤は。
目を閉じている碧を見つめてみた。
可愛い寝顔に癒やされる西島。
天使の寝顔‥‥つい、そう思ってしまいそんな考えをする自分に笑いがでてくる。
しかし、良く寝てるなあ。
西島はつい、碧のほっぺをつついてみる。
プニプニ!
弾力がある肌。しかも艶があり女性のように柔らかい。
赤ちゃん肌。
なんて、感じた。
髪もフワフワと柔らかいしサラサラ。
本当にコイツは男か?
髪も触ってみる。
「子猫みたいだな」
フワフワな髪を撫でながら呟く。
‥‥‥‥‥‥‥‥!!
ぎゃー部長がー部長が僕のほっぺを!
頭も撫でてるーーっ!!
寝た振りしている碧は悶ていた。
緊張し過ぎて目を閉じて寝た振りしていた碧。
寝た振りして良かったと碧は感動している。
もっと僕に触ってください。
だって、僕は‥‥‥‥
部長に触られたら幸せな気持になるんです!
凄く、凄く、幸せで部長を好きになりそうです。
◆◆◆◆◆◆
温かい。
腕の中に温かいものを感じ、西島は目を覚ます。
甘い香も同時に感じた。
目を開けて温かいモノと甘い香の正体を知った。
さ、佐藤!
なななな、なんで俺は佐藤に腕枕をしているんだ!
目を開けて衝撃を受ける西島。
腕の中に碧を抱き込むように寝ていたのだ。
腕枕までして!
離れようとしたが、碧の甘い香と温かさに負けた。
抱っこは許容範囲だ!
そんな言い訳を自分にすると、碧を抱きしめて眠った。
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