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好きになってもいいですか?9話
◆◆◆◆◆
わぁ~、夢みたいだ!
部長が僕の為に!
シャツを脱いでスエットに袖を通す。
西島のシャツでも充分嬉しいが自分の為に買って来てくれたスエットも嬉しい。
だって、買う時に碧を思い出して選んでくれたのだから嬉しいに決まっている。
スエットは上下ともピッタリだ。
えへへ、部長ピッタリですよ。凄いです!
ニヤニヤが止まらない碧。
◆◆◆◆◆◆
良かった!喜んでくれた!
西島は内心ドキドキだったのだ。
趣味じゃないとか言われたら?とか、考えながらに色を選んだ。
まあ、自分の好きな青にしたのだが‥‥碧は黒とか、白とか、そんなイメージはない。
淡い色。
碧を思いながら色を選んだ。
「部長‥」
碧の声で振り向く西島。
振り向いた方向には、照れくさそうにスエットを着て立っている碧。
淡い青は彼に良く似合っている。
「ピッタリだな、良かった」
袖も丈も問題ない。
「に、似合いますか?」
ニコッと笑う碧。
「あぁ、似合うよ」
碧の笑顔に釣られ西島も笑う。
「じゃあ、僕、手伝います。」
碧は西島の横で手伝いを始める。
◆◆◆◆
「マグロうまいー!」
ガツガツとマグロを食べる諭吉。
「部長にちゃんとお礼言わなくちゃね」
食べる諭吉の頭を撫でながら碧は言う。
「ほら、こっちも飯だ」
西島は碧に手招きをする。
テーブルに西島が作った料理が並ぶが、碧が覚悟していたピーマンがないような?
碧は料理を見つめる。
◆◆◆◆◆
食事は美味しかった。
でも、
「部長、今日、ピーマン使うんじゃなかったんですか?」
片付けを手伝いながら西島に聞く碧。
「使ったよ」
「へ?」
「ちゃんと使ったよ。食べれて良かったな」
ニコッと笑う西島。
「入って‥‥たんですか?気付きませんでした」
「苦くないようにするって言っただろ?」
「はい。苦く無かったです。部長、料理凄く上手ですね」
「ありがとう。じゃあ、明日は何を食べたい?ピーマン食べれたから明日は好きな物を作ってやるよ」
えっ?明日?
明日もいいんですか?
碧の顔がパァーッと明るくなる。
「明日はハンバーグがいいです!チーズが乗った!」
「ハンバーグか、いいよ」
ハンバーグが好きだなんて、碧らしいと西島は笑ってしまう。
◆◆◆◆◆
碧は先に寝てしまった。
やたらと、はしゃいでいたから疲れたようだ。
眠っている碧はやはり可愛い。
スエットも似合っているし、ピーマンも食べれたよな。
西島は碧の頭を撫でると、寝室を出た。
早く帰る為に仕事を持ち帰ったのだ。
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