4 / 6
待って、俺の童貞、いかないで…!
冬馬が上下に動き始める。
冬馬の中はキツい締め付けで、俺の息子がきゅーっと締め上げられる。
正直に言おう。
超絶気持ちいい。
ぱちゅん!ぱちゅん!とお互いの汗をかいた肌がぶつかり合い、さらに結合部からも濡れた音が響く。
「ヤバ…冬馬…っ、俺イキそう…!!」
「しゅん、ちゃん!んぅ…っいいよ!あぁ…っイって…!!」
マジで、冬馬に搾り取られる…!
「マジで…もう、ダメ…っ!イっくぅ…!!」
「しゅ、んちゃん…!」
俺は動かなかったはずの両手で、冬馬の細い腰をグッと押さえ、放った。
冬馬もイったらしく、俺の腹の上にびゅるると精液を撒き散らした。
冬馬は快感に耐えきれず、俺の胸に体を預けた。
お互い息が上がり、しばらくは放心状態だった。
「瞬ちゃん…俺、お腹いっぱい…こんなに満たされたの初めてかも…」
普段は表情一つ崩さない冬馬が、ふわりと笑った。
こいつ、こんな顔するんだ。
15年間一緒にいて、初めての発見だった。
「サキュバスって…腹満たすためなら、他の奴ともするの?こういうこと」
冬馬の手慣れた様子が気になった。
もし、他の奴としてたらって思うと…なんか…。
って何で、俺がモヤモヤしてんだ!!
「してないよ」
ほら、やっぱりしてないって…え?してない?
「俺、他の奴とはしてない。ていうか出来ない」
「精液取らないと腹が満たされないんだろ?」
俺はついさっき冬馬に童貞を捧げてしまったから、悲しくもこれが初めてだ。
じゃあ今までこいつ、どうやって腹を満たしてたんだ?
「サキュバスって8才から10才くらいで才能が開花するんだ。個人差があるけど、俺は遅くって11才の時に開花した。裸眼で見つめると魅了しちゃうから、その頃から眼鏡掛けてるんだ。開花したときから、サキュバスとして、色んな人とする奴もいるけど、俺は瞬ちゃんとしかするつもりなかったし、瞬ちゃんしか受け入れられなかった。だから、腹を満たすために人口精液を使ってた。全然満たされなかったけど…」
「じゃあ、俺が初めて?」
冬馬は、「うん」と頷いた。
なーんだ、良かった。
って何で、俺ホッとしてんだ!
「瞬ちゃん、童貞卒業おめでとう」
冬馬はニヤリと意地悪そうな顔で笑った。
「お前な~~…って今、何時!?」
「んーっと、12時30分だって」
冬馬はズボンからスマホを出して、確認した。
11時に呼び出したのに、12時半って!
1時間半も遅刻してる!
「もしかして…遠藤さん?」
「俺、葵ちゃんに手紙で体育館裏でって…終わった…完全に終わった…」
「行ってきたら?」
冬馬は服を着て、眼鏡を掛けた。
いつものダサ男に元通りだ。
「いや、もういないと思うし…俺、なんか…」
「行ってきなよ。待ってると思うよ」
「何でお前にそんな事わかるんだよ」
「遠藤葵は引くくらい、いい奴だから」
「は?何だそれ」
確かにいい子だけど。
冬馬は俺の手を握った。
「無理矢理やっちゃったけど、俺の15年間の想いは本当だから。俺には、瞬ちゃんしかいないから」
眼鏡を掛けているのに、俺は冬馬の目に魅了されていた。
「ほら、行ってきなよ」
冬馬は俺の手を引っ張って、立たせた。
俺は体育館倉庫の扉を開けて、約束の場所へ向かった。
ともだちにシェアしよう!