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第178話Caress④

「いつまで、そんなとこ…んっ」 「気持ちよくない?」 顔を上げてそう尋ねるハルの顔を見て、また熱が込み上げてきた。 「それ、だったら…こんな、ぁ…声、出さな」 わざとらしく音を立てながら、再びそこを口に含まれる。 「っ…あ、だ…め」 赤く芯を持ったそこに歯を立てられ、言いようのない快感に包まれていく。足の指でシーツをきつく掴んで離し、意志とは関係なしに膝をすり合わせた。 ようやくそこから口が離れるとハルの手が俺の前髪をかきあげて眉をなぞり、額に優しくキスを落とされた。 「…頑張ったね」 「も…おわ、り?」 息が弾んで、目の端から少し雫が垂れたのを舌に掬い取られる。体を起こそうとするが力が入らず、手を引かれ腕の中に納められた。 「大丈夫?怖くなかった?」 「ん…大丈夫」 今日もここでお預けなのだろうか。高鳴ってしまった心臓はまだ鳴り止まない。 ハルは首元に擦り寄ってきてうなじを唇に挟んで食み、伸びてきた襟足を撫で上げながら荒い呼吸を繰り返した。 「ちょっと…抑えられそうにないから、今日はお終い」 「まだ、その…」 「ん?」 「…出してねえだろ、お前」 密着すればハルが我慢しているということは良く分かる。それだけでなく、自分の触られていないそこもきつく張り詰めていたから、ここで終わりにされるのはもどかしかった。 「いいよ、大丈夫…トイレ行ってくるから」 「俺も…だから」 それまで気づいていなかったのか、今ようやく自分の下半身をじっと見つめられ顔が熱くなる。 「俺が触っても大丈夫?」 「ん…多分」 ハルの手がズボンに触れて、躊躇いもなく下ろされていく。それに抗うこともせず、ハルの履いていたものを自分の手で下ろそうとした。 「えっ…勇也?」 「なんだよ…いいだろ、別に」 「いいけど…うん、なんか恥ずかしいな」 「今更何言ってんだよ」 片方の手を繋いで指を絡めて、上にハルが覆いかぶさる。 お互いの熱くなったものがハルの手に包まれ、ハルが腰を揺らせばその分こちらにもその刺激が伝わり火照った吐息が交わされる。 「んっ…あ、はる…んんっ…」 「…気持ちいい?」 「言わ、せんなって…」 先走りで滑りが良くなってさらに動きは激しさを増していく。自然とこちらからも腰を振ってしまい、汗をかくほどに体が熱くなった。 繋いだ手は離れず、ぎゅっと強く握ったまま。切なそうなハルの顔が近づいて、耳にぬるりと温かい感触がした。 「あっ…やめ、耳…だめだって、んっ」 「…可愛い」 いよいよその快感も限界が近づいて、激しくなった呼吸から漏れる喘ぎも抑えきれない。 「あっ、も、だめ…い、く…」 「まだ、待って…我慢して」 「やっ…あぁっ、なん、で」 もう達する目前なのに、根元をぎゅっと握られたままハルがさらに腰を激しく動かす。 気持ちいいのに出せなくて、涙が滲んできた。ハルの声が少しずつ漏れ始めたところで、ようやくその手が外される。 「あっ…俺も、いきそ…勇也、一緒にいこ」 「あぁっ!も、でる…や、あっ…んんっ」 ビクンと体が跳ねて、露わになっていた上半身に白濁した精が放たれた。ハルと自分のものが混ざりあって、まだ温かいそれが確かに肌を伝う。 「んっ…お前、服…」 「大丈夫…後で洗うから。気持ちよかった?」 「だから聞くなって……まあ、普通に…」 ゆるく微笑んだハルに頭を撫でられ、そのまま抱きしめられる。服が汚れるからと言いたかったけれど、きっと言っても聞かないだろう。

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