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第277話Last Summer

ハル曰く、夏休みは遊び尽くすつもりだったらしい。 けれどどうだろうか、七月の序盤にあれだけ遊んでおいて、気づけば八月ももう半ばとなってしまった。 「勇也〜アイス」 「一日ひとつって決めただろ」 「じゃあえっちしよ〜」 「…昨日しただろ」 何故外に出ていないか、何故遊んでいないかと言えばずっと家にいるからだ。 今年の夏は極暑と言われている。だから外に出たくないのもあるのかもしれないが、俺とハルは家の中で専ら体を重ね合っていた。 自分でもこんなにするとは思っていなかったし、するつもりもなかった。 「毎日したい。最近も勇也は乗り気だったじゃん」 「別に…暑くてすることなかったし」 家にいたらすることがそれくらいしかないという訳でもない。でも夏休みの課題も終わってしまったし、最近やけに不安になるのだ。 この夏を終わらせたくない。ハルと一時も離れていたくない。それならずっと繋がっていたいと思ってしまう。 「学校始まったらえっちできないじゃん」 「とか言ってするだろお前は」 「勇也が嫌がったらしないよ?」 「…そういう問題じゃねえし」 俺は断ったりしないだろう。よほど疲れていなければ。今断っているのには理由があった。それは昨日もしたからという単純なものでは無い。 ハルは異常に俺の胸を弄るのが好きだ。吸ったり舐めたり、摘んだり弾いたりとしたい放題になっている。 そうしたらどうしたものか、俺のその部分はいつの間にやら少々肥大した気がするのだ。すぐに硬くなってしまうし、昨日したせいで服が擦れると妙に感じてしまう。 そこで俺が取った策というのが、その部分に絆創膏を貼ることだった。今朝貼ったところ、擦れるのが気にならなくなってきたのでそこはいいのだが、変に意識してしまうし見た目が少しいかがわしい。どうしても今ハルに見られたくなかった。 「暑くてすることないならセックスしようよ」 「うざい。余計暑くなる」 「もう、そんなこと言って…」 ハルの手がするりと服の間に入り込んで腰を撫でる。ビクンと腰が跳ねたのと同時にソファの端まで寄ってハルから逃げた。 「…セクハラ禁止」 「セクハラじゃないよ、何でそんな遠く行くの」 ソファの上でジリジリと距離を詰められ、一度ソファから離れようとするといきなり後ろから抱き寄せられて身動きが取れなくなってしまった。 「あっ…この、クソ!」 「勇也が最終的に嫌がらなければセクハラじゃないよね?」 「現に嫌がってんだろうが!」 「気持ちよくなっちゃっても嫌がれる?」 後ろから手が伸びてきて、Tシャツの上から絆創膏の貼ってあるそこをぐりぐりと撫で始めた。絆創膏までもが擦れていつもとは違う感覚に声が出てしまう。 「やぁっ…ん…そこ、やめろ!」 「なんかもう一枚中に着てんの?感触が微妙に違うような…」 「あっ、ばか…っ中、手ぇいれん、な」 ソファにうつ伏せで寝た状態でハルに上に乗られてしまい、足をばたつかせるがなんの抵抗にもならない。必死にソファから体を離すまいとしたが、無理矢理ハルの手が服の中に入り込んできてそこに触れてしまった。 「え、なにこれ…なんか、貼って…」 「やめろ、やだ…あっ」 ソファと自分の体に挟まったハルの手に体重をかけてしまい、もぞもぞと動くその手の感触が耐え難い。ついに体を浮かせてしまい、その隙に仰向けにひっくり返された。 「ちょっと脱いで見せて」 「い、やだ…!ぜってぇ嫌だ!!」 「こら、手どけて」 ハルの体を蹴りながら必死に抵抗したがそれも遮られ、ぐいっと首元までTシャツが捲りあげられてしまった。 乳首に絆創膏というなんとも情けないこの姿をまじまじと見られてしまい、顔がどんどん暑くなっていって恥ずかしさから涙が滲むのがわかる。 「だから、嫌だって言った…のに」 「これはダメでしょ」 「見んなよ、ばか…嫌だ」 「かぶれたら大変だし剥がしていい?優しくするから」 嫌だという俺の声を無視してハルは絆創膏の上からそこを指で焦れったく押しつぶして擦り始める。 絆創膏の上からでも分かるくらい、そこはすぐに硬くなって主張し始めた。 「やっ…だ、あっ…んん」 「ねえ、これわざとやってんの?」 「ちが…お前が、いつも、いじる…から」 「やっぱり服擦れちゃうか、無理もないね」 きゅっと抓るように強めに摘まれ、腰が浮いてしまう。咄嗟に自分の口を両手で押さえて、その悩ましい声が漏れてしまうのを防いだ。 その間にハルは絆創膏を舐めて唾液で濡らし始める。 「んっ…んん、う…なに、して」 「こうした方が剥がしやすいかなと思って」 「あっ…!や、ぁ…あぁっ…やめ、ろ…」 絆創膏の隙間からハルの舌が入り込んできて刺激を与えてくる。それに仰け反ったのと同時に、ハルの硬くなったそれがズボン越しに押し付けられて自分の下半身がじわりと熱を帯びた。

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