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第278話Last Summer②
「押し付けんな、変態…!」
「こんな格好してる勇也の方がよっぽどだけどね」
「う、るさ…剥がすならさっさと…んっ」
相変わらずそこを舐めたまま、一向に絆創膏を剥がす兆しが見えない。早くこんな恥ずかしい姿忘れてほしいのに、ハルはむしろ楽しんでいるように見える。
また口を押さえようとした俺の手を優しくハルが解いた時、ハルの首元から例の香水の匂いがした。最近もそうだったが、するときはいつもこの香水をつけている気がする。そのせいか俺はこの匂いを嗅いでしまうとそういうことを意識せずにはいられなくなった。
「勇也も興奮してきた?」
「お前の、せいだ…ばか…っあ」
胸への刺激とその匂いのせいで俺のものもいつの間にか熱を帯び硬くなり始めていた。ハルはそれに自分のものを擦り付けるように腰を動かす。
「服着てんのに、なんかセックスしてるみたい」
「やっ…あ、やめろ、ばか、へんた…い!」
「まあ、勇也は乳首だけでもイけるもんね?」
「やだ、やだっあ…も、そんなとこ…」
腰の動きが止まって、またしつこく舐り始める。男なのに、こんなことをされて達してしまうのは恥ずかしい。でもそれがどうしようもなく気持ちがいいのもまた事実だった。
「こっちはそろそろいいかな…剥がすよ」
「待て、そんないきなり…あぁっ!」
粘着部分が僅かに触れていたのか、剥がされた瞬間電撃が走ったかのような感覚に陥る。
腰がガクガクと震え、自分でも何が起きたのか分からない。
「結構腫れてるね…痛くない?」
「や…あっ!さわん、な…んん…っ」
「痛いの?」
「ちが、痛く、ない…からっあ…やだ」
分かっているくせにいちいちそう聞いてくるハルを睨みつけるがすぐに力が抜けてしまう。余裕そうなその表情が気に入らない。
「そんなに擦れて気になるんだったら一回イッときなよ。スッキリするかもよ?」
「意味、わかんな…ばか、やめろ!」
「こっちしか触んないから、ね?」
さっき剥がされただけであんなになってしまったのに、これ以上弄られたらと思うと溜まったものでは無い。
逃げようと身を捩ってうつ伏せになりようやく振りほどけると思ったら、腰を掴まれてズルズルとハルの方まで引き摺られてしまった。
そのせいでTシャツが捲れて露わになったそこがソファの表面と擦れて悲鳴に近い嬌声が上がった。
「いや、あっあぁ…!」
「今ので感じたの?本当に敏感だね」
「はる…も、だめ、やだ…」
嫌なことに、段々と達してしまう直前の感覚が分かるようになってきていた。自分でもよくわかる、このまま弄られ続ければ達してしまう。逃げようと藻掻くことで下半身がソファに擦れ、ハルのものが後ろから突くように押し付けられる。
耐えられない。早く楽になりたい気持ちもあるのに、刺激を主に受けているのが胸だからじわじわとしかその波がやって来ない。
「こっちのほう、絆創膏押し上げてる…一気に剥がした方がいいんだっけ?」
「はる、やだ…ぁ、まって、それは」
「剥がすよ」
そう言うのとほぼ同時に絆創膏が剥がされ、再び電撃が走るような感覚が訪れる。
「いっ…!あ、あぁっ、やだ…!」
ハルの体が離れても尚自分の体はピクピクと痙攣していた。
しかも、あろうことか下半身にまで違和感を感じる。まだ脱いだわけでも触られた訳でもないのに、下着の中にそのまま出してしまったようだった。
絆創膏を貼っている姿を見られた時と同じくらい顔に熱が集まる。うつ伏せになっているから恐らくハルはまだ気づいていないだろう。
「随分派手にイッたね」
「…うるせぇ、ばか、へんたい、くず、ひとでなし」
「久しぶりに悪口のオンパレードだね。そろそろ俺の欲しくならない?」
「黙れしね…この祖チン!」
自分が達したばかりで冷静になっていたのもあるが、ついつい強気な態度で悪口を言ってしまった。一度もハルのものが粗末だとは思ったことがないし、自分や同年代と比べたら恐らく大層立派なのだろう。それはハル自身も分かっているはずだ。
俺のこの言葉が逆にハルに火をつけてしまったようで、見たこともないほど気味の悪い笑顔で見つめられた。
「へぇ〜?じゃあ勇也はいつもそんな祖チンに奥まで突かれて善がってたの?」
先程よりも強い力でハルに掴まれ、とうとう逃げられない。下腹部を手のひらでぐっと押されると、外から前立腺を刺激されて自分の中が疼いた。
「そ、れ…やだ、あっ…」
「いつも俺の、勇也のここまで届いてるんだよ」
「謝る、から…さっきの、嘘だから」
「じゃあ本当はなんなの?」
自分のせいだけれど、こうやって意地悪されると困ってしまう。俺が恥ずかしいことを口にするのが苦手だと分かっていてわざと楽しんでいるのだ。
黙っているうちに下腹部を押すハルの手が俺のズボンの中へと侵入しようとしていたのを、必死になって食い止めようとした。
「まって、そこ…やめ…!」
「やめない」
うつ伏せのままソファに体を付けて防ごうとしたが、脇腹をつつかれると腰が浮いてしまいその隙に手がズボンの中へ入ってきた。下着の上から触られているとはいえ、俺がさっき射精してしまったのがはっきり分かってしまうだろう。
「違う…これは、ちがう、から」
「何が違うの?ぐちゃぐちゃなんだけど。出しちゃうほど乳首気持ちよかった?」
「ちがう!ちが…あっやだ…はる、おねが…やめ、て」
「ほら、この後どうしてほしいか言ってごらん」
下着の上からそこを扱かれ、布と擦れる度にぐちゃぐちゃと音が響く。後ろからまたハルのものが擦り付けられると、腹の中が熱くなったようにいよいよ疼きが止まらなくなってしまった。
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