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第279話Last Summer③

「あ…んっやだ、はる…もう、むり」 「何が無理なの?」 下着の上から扱かれたそこは既に硬くなり始めて、自分の体はどんどん熱くなっていく。 ハルを全身が欲している。けれどその欲しいの一言を口にするのは簡単じゃない。自分が折れてしまったみたいで癪に障るし、単純にはずかしい。 「手、止めろ…あっ!やだ、とめて、やっあっあぁ…っ」 勢いよく扱かれて腰が震え始めたところで急にまた緩い動きに戻る。 今寸止めされるのは流石にくるものがある。もういっその事ハルが我慢出来ずに入れてくれれば自分が恥ずかしい思いをすることはないのに。 どちらが先に折れるのかという戦いになっていた。どうしてこういう時に限ってハルは我慢強くなってしまうのだろう。それなら普段からその我慢をして欲しいところだ。 「そろそろこっちも欲しい?」 後孔に指が添えられ、そこを撫で回す。ひくついて反応しているのがバレてしまうのは恥ずかしかったけれど、もうハルの方がこのまま折れてくれるかもしれないと思った。 下着とズボンを膝辺りまで下ろされてさりげなく足を拘束されつつ、ローションが直接俺の上から垂れ流される。 その冷たい感触に体が期待して震え始めた。 「ここ、ひくひくしてるね。そんなに欲しいの?」 「…ちがう」 「そうだよね、祖チンなんていらないもんね?」 まだ引きずるかと思っていると、中に一本だけゆっくりハルの指が入り始めた。 それを受け入れるように力を抜いて、早くしてくれと焦る。このまま一度達してしまえば少しは楽になるかもしれない。 「あっ…ん、んんっ…」 「気持ちいい?」 快感に身を委ねようとされるがままになっていると、いよいよ前立腺を刺激しながら指が激しく動き始める。じわじわと波が寄せて、そろそろかもしれないと足がピンと伸びた。 「ん、あっ…あ、あ、ん…っ」 「イキそ?」 ハルの言葉にこくりと頷いて腰を浮かせる。もうすぐだと思っていたのに、なかなか絶頂は訪れない。 気持ちがいいし、達してしまうのも時間の問題かと思っていたのに何か物足りない。 指が二本であれば違ったのかもしれない。ハルの細長い指では満たされなくてもどかしい。あと少しなのに、ただ快感に身をくねらせるだけだ。 「や、あ…っはる、いき…たい」 「イッていいよ?」 「いけ、な…あっん、たりな、やだ、あっ…」 「指だけじゃイけない?そうだよね、ずっと俺ので奥まで突かれてたんだから」 もう一本の指で中を広げられ、顔が火照る。ハルに慣らされたそこは、いつでもハルを受け入れられるようになっていた。 ハルは折れるつもりなど無いようだ。これ以上焦らされたら本当におかしくなってしまう。ついに俺は観念した。 「お、ねが…もう、ハルの、ほし…ぃ」 ハルに背を向けたままそう言う。見なくても自分の顔が真っ赤になっているであろうことが分かるほどじわじわと熱がこみ上げた。 「可愛い…じゃなくて、本当にいいの?」 「い、から…はやく」 「俺の祖チンで満足出来る?」 今ようやく分かってきたけれど、祖チンという罵りを相当気にしているらしい。ここまでしつこいとなるとどうすればいいか分からないが、俺に何か言わせようとしているのだろう。 「できる、から…はるのが、いい」 「…否定はしないんだ」 否定しなくとも分かるだろ。と思っていると、ようやくハルのものが後ろへ宛てがわれる。本当に期待しているようにひくついて簡単にハルのものを飲み込んでいった。 「あ、あ…っあ、ん…」 ハルのものが入ったのだが、浅い所で何度も出し入れを繰り返される。正直あまり気持ちよくはない。 「な、にして…ちゃんと動けよ…下手くそ」 またしても言ってしまったと思いちらりと後ろを見やると、笑顔だがどこか怒っているようなハルが俺の腰をがっと掴んだ。 そのまま奥まで来るかと思いきや未だに浅いところで動くだけだ。 「下手くそで祖チンだからどうすればいいか分からないんだけど、どうすればいい?」 「わるかった、って…だから、ちゃんと」 「ちゃんとって?」 「だ、から…それは…」 まずい、完全に怒ってる。このままでは自分が辱めにあってしまう。どうにかこの状況を切り抜けないかと考えたけれど、体が快感を求めるばかりに思考もおぼつかない。 「どうして欲しいか言ってくれないと、勇也も辛いままだよ。いつもどうされてるか言ってみなよ」 「もっと…おく、まで…」 「え〜届くかなぁ?」 なんてわざとらしい。さっき自分で言ったくせに。まず俺の言ったことを訂正しないと気が済まないようであった。 なんとかして言おうにも、素面の状態では羞恥心が理性を保っているから恥ずかしい言葉はそう簡単に出てこない。 「もっと、ちゃんと…はる、おねが、い…」 「それじゃあ分かんないよ。いつもどうやって自分がイカされてるか思い出して」 こうなったらもうヤケだ。自分でもこんな言葉口にするのはアホらしいがハルが求めているのはこういうことなのだろう、きっと。 「はる、の……で、もっと、お…く、まで…」 「え?なんて?」 「くそ…だ、から、はるの…おっきいので、おくまで…ついて」 言ったあとあまりの恥ずかしさにソファへ額を打ち付けた。 ハルはようやく満足したのか、またしっかりと腰を掴んでゆっくり奥まで入ってくる。 「あっ、はる…あ、ん…んんっ」 「いつもその下手くそにひんひん泣かされてるのは誰だろうね?今日は覚悟しといて」 そう言った直後に一気に奥まで抉るように突かれ、四つん這いになったまま背中を仰け反らせる。後ろから入れられている分いつもより奥まで突かれているような気がして、さっきまでの焦らされた分も相まって有り得ないくらいに気持ちがよかった。 「あーあ、奥まで入れただけで出ちゃったの?」 「あ…あっ、きもち、はる…」 「…可愛いけど、今日は泣くまでいじめるからね」 「泣いても、やめねぇ、くせに…」 そもそも既に羞恥心で涙が滲んでいる。そんな俺のものをハルがそっと触ると、すぐに反応してしまいそうだった。 その先端に何か無機質なものが触れたような気がして、覗き込むように見てみる。 「待っ…お前、なに、して!」 「本当は今日してくれなかったらこれで脅そ…誘おうと思ってて」 「やだ、ほんとに…それ、だけは」 ハルが手にしていたのはシリコン製の細い棒。俺はそれを見たことがある。 もう二度と尿道に棒なんて入れられたくないのに、それがまさに今自分の鈴口へと宛てがわれていた。

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