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第281話Last Summer⑤
「これ動かしてあげるから、もっと頑張って」
俺のものを掴んで扱きながら棒を抜き差しされ、声にならない悲鳴をあげる。動きは止まり、一気に奥までハルのものが入り込んでしまった。
「〜っ!あ…あぁ…あっ!あ、んんっ」
「頑張って、そんなんじゃイけないよ」
「やめ、ろ…ぬけよ、やだ…あっ!」
下にいるハルが無理に動くと、さらに奥まで深く突かれる。自分で動かそうにも頭が働かず、止まらない射精感のようなものを味わいながら震えていた。
「早く出したいでしょ?いいのこのままで」
「よく、な…あっ!…あ、あんっ…んん」
中からの快感が込み上げ、ほぼ何も考えずに体が動く。ハルが出せるようにしなければならないのに、ただ自分の快感を貪るように腰を振った。
一度腰を振り始めたら止まることが出来なくなってしまい、目が虚ろになりながらひたすら快感を求める。
「勇也、顔すごい…可愛い」
「う、るさ…あっ、も…またいく、いくっ…」
中で達してしまい、動きが止まる。それを見かねたハルが俺の体を抱きしめ、俺が下になる体制へと変わった。
「もう、仕方ないなぁ勇也は」
「も…たえられな、だめ…おねが……して、ほし」
「抜いてほしいの?まだダメだって__」
「きす、して…はる」
ハルの顔が近くに来るとそう思ってしまってついキスを強請る。いまいち自分が何を言ったか分かっていなかったから、恥ずかしさよりもただキスがしたい気持ちが勝っていた。
ハルは天を仰いで息を吐いてから噛み付くように唇を重ねてくる。ハルの首に腕を回してひたすら口付けを交わし、目から力は抜けて口が開きっぱなしになった。
「勇也のそれ、天然なの?…侮れないね」
「ん…も、抜いて…一緒に、いきた…」
「しょうがないな…今回は可愛さに免じて許してあげる」
ハルが再び動き始め、キスの効果なのか自分の中はハルを離さまいと締め付ける。また絶頂の兆しが見えてきて腰が震え、目の前がチカチカと点滅するようだった。
それを合図にずるずると中の棒が抜かれていき、口を押さえようにも間に合わず色めいた声がだだ漏れになる。
「はぁ…あっ、あ、あ、やだ…いっ、あぁっ」
全て引き抜かれるのと同時に塞き止められていた精を吐き出す。止まってほしいのに自分の意思では止めることが出来なくて、涙をぼろぼろと零しながら襲いかかる快感をひたすらに受け止めた。
「勇也、まって、締めすぎだって」
無意識にハルのものを引きちぎらんばかりに中が締め付ける。思わず引き下がろうとしたハルの腰に両脚をかけて、ぎゅっと抱きしめた。
それから間もなくして中にハルの熱を感じ始める。
「勇也…?ごめん、一回離してくれないとちょっと」
「やだ」
「やだじゃなくて!あの、本当にこのままだと…」
ハルの体に脚を絡めたまま状態を起こし、首に手を回して額同士を付けてみた。
じっと見つめていると、諦めたようにハルは唇を重ねる。その唇を舌で割って上顎をなぞり、絡んでくる舌を吸って水音を響かせた。
徐々に自分の中でハルのものがまた硬くなってくるのが分かる。それに呼応するように中が収縮した。
「んっ…また、硬くなって…」
「だから言ったのに…あ、ちょっと勇也動かないで」
「あっ…んん、ぬ、けよ…」
「待って、抜く前に一回だけ…」
ソファに倒され、片脚をハルの肩にかけるような格好にされる。脚を上げたことで奥までハルのものが入ってしまった。
「やだ、あっ…もう、しな、い…!」
「やだじゃないの、勇也が悪いんだから」
「あ、あ…んんっ、おく、あたって…」
「気持ちよさそうな顔…可愛い」
睨みつける力も残っていない。奥を突かれながらその度に声が上がる。
「はる…」
ほぼ無意識に名前を呼べば、応えるようにキスをしてきて自分もそれに必死に食らいついた。
ここまで来てしまえば、もうプライドなんてどうでもいい。いつから自分はこんなふうになってしまったのだろうか。
ハルはいつも傍にいるのに、時々どうしようもなく遠く感じてしまう。そんな不吉な嫌な予感が自分の中に渦を巻いていた。
「ずっと傍にいて」
それは自分が言ったつもりであったが、ハルが言ったようにも聞こえた気がした。
何度も確かめた、何度も実感したはずなのに。言葉にすればする程余計に不安になる。
お互いを離さないように抱き締めあって、その身体の中へと、心へと溶けていった。
夏が、終わった。
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