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第288話Made me⑦
「ああ、すみません。少し体調が悪かったのでここで休まさせてもらってました」
ハルは背を向けたまま、おそらく顔だけ教師の方に振り返って返事をする。いくら背丈のあるベッドと衣装のスカートで隠れているとはいえ、教師とこんなに近い距離でハルのものを咥えていると思うとどうしようもない背徳感に駆られる。
『もしかして二年生の小笠原くん?こんな美人な子いたかしらと思っちゃった』
「あはは、大袈裟ですよ。大体ここまで図体デカい女の子いないですからね」
『私はそういうの気にしないわ。心と体が一致しないことだってあるし、相談ならいつでも…』
ハルの心が女だと勘違いされているのだろうか。そういえばあの騒ぎもあったし、この教師が俺たちの関係を知っていてもおかしくはない。
「あー…いや、そういうのじゃないんで大丈夫です」
『そう?何か困ったことがあったら力になりたいんだけど』
ハルの声は全く信用していないように聞こえる。大人の言葉をどうしても薄っぺらいと感じてしまうのだろう。
まさかこの教師はずっとここにいるのだろうか。外の状況が分からないからどうすることも出来ない。
早くこれを口から出したいのに、俺の頭はハルがスカートの上からがっしりと押さえつけていた。
「ん゛んっ?!…ん…んっ」
ハルの足が再び動き始めて思わず呻き声をあげる。聞こえていないかどうか気になって仕方がないが、視界が遮られていては何もわからない。
『そう…小笠原くん、もう具合は大丈夫なの?』
「ああ、はい。もう少ししたら出ます」
『そっか、よかった。私はこれから見回りしてくるから、ゆっくりしてね』
心臓の音が自分でもうるさいほどにドクドクと鳴っている。
ハルは俺の頭を揺すって喉の奥を突き、その苦しさと快感に耐える。ハルの足を止めたいものの掴んだ自分のスカートを離せば衣装が汚れてしまう。
「んぅ…んっ…んん…」
「ごめん…もう、出る」
『…え?やだ、ゆっくりしていっていいって。無理は体に毒よ』
教師の笑いを含んだ声が聞こえると、喉の奥に熱いものが流れ込んできた。驚いて嘔吐きそうになるが、この状態では口からこれを出すことが出来ない。
喉にハルの精が絡まる。苦くて顔を顰めてしまいそうなのに、なぜかその匂いや味に体は疼いてしまった。
ハルが欲しい。この疼きを止めて欲しい。
『じゃあ行くね。お大事に』
扉の閉まる音。それと同時にスカートの中から顔を出した。
「ごめん…全部飲んじゃった?」
「ふざ、けんな…ハゲ」
「うわ…何その顔、えっろ」
顔を見てそんなことを言われるなんて心外だ。肩で息をしてハルを睨みつけると、ハルは俺を立たせてから後ろに回り込んだ。
「ごめんね、もうすぐ休憩終わるし勇也も楽にさせてあげるから」
「いいって…ん…あっ」
「スカートちゃんと持ち上げといて、汚したくないでしょ」
「待って…はる、そのままじゃ…やっ…」
下着の上から手で強く擦られて、つい片手でハルの手を押さえてしまう。
「時間ないから、ごめんね」
「やだ、や、だ…あっ…でちゃ、う…」
「いいよ、出して」
「はる、はる…あっあぁ…んっいや、だぁ…」
身震いをしてそのまま下着の中に精を放つ。開放感とそのあとの虚無感に襲われて体から力が抜けてしまった。そんな俺をハルが羽交い締めするように抱え込んで支える。
「嫌だって…言っただろ…」
「ごめんごめん、ちゅーしよ」
「そんなんで許すかアホ!…んっんう…」
宥めるようにキスをされて頭を撫でられると、怒っていた気持ちが少しだけ鎮まってくる。本当はきちんと叱らないといけないのに、ハルはいつもこうやってキスをして誤魔化すから嫌だ。
「バカ…もう帰る」
「待って、パンツ脱ぎなよ」
「はぁ?嫌に決まってんだろ」
「精液まみれのパンツで教室戻るつもり?」
その言葉に体が固まる。確かに、この状態で帰るわけには行かない。けれどスカートのままノーパンなんて御免だ。
「…このまま戻る」
「匂いとかでバレちゃうかもよ?いいの?」
「…どうしろってんだよ!お前のせいだからな」
「俺が勇也にずっと付いててあげるから、ほら脱いで」
「あっ…!こら、ハル!」
無理矢理下着を剥がれ、その勢いでベッドに転ぶ。ばたつかせた足も押さえられてしまい、下着は呆気なく足から抜かれた。
「早く行かなきゃ休憩交代できない」
「それどうするつもりだよ、返せ」
「俺が大事に隠しとくから、行こうよハニー」
「誰がハニーだ!ふざけんな!」
ハルは俺の下着を保健室にあった密閉する袋のようなものに入れてポケットかなにかに隠してしまった。
ここから俺は、ノーパンにスカートという最悪の状態で皆の前に出てしまうことになるのだった。
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