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第291話Thlil③

「それで、俺のナニが欲しいの?」 「は…?」 「ちゃんと言って、勇也」 「そ、れは…」 こいつはただ俺に淫語を言わせたいだけだ。前のことでちっとも懲りていない様子なのがむかつく。 「お前、反省してねえの…」 「え?」 「いいのかよ…また、家出てっても」 そう言うと、いきなりハルがバッと俺の上半身を抱き起こして抱きついてきた。 突然のそれに少々びっくりする。 「ごめん、ごめんね勇也。優しくする、ちゃんと大事にするから…」 「はる、くるし…」 「好きだよ。だから嫌いにならないで…」 「わかった、わかったから」 未だにハルは俺を抱きしめたままで、首元にスリスリと擦り寄ってくる。 分かってくれたのはいいけれど、今俺が欲しいのはそれじゃない。余計にもどかしい。 「ねえ、勇也は好き?俺のこと」 「そんなの決まってんだろ」 「好きって言ってくれなきゃやだ」 正直言って面倒臭い。急にどうしたんだこいつは。 けれど言わなければ俺のこの疼きが収まることもない。口に出すのを今更恥ずかしがっていてもしょうがないが、誤魔化すためにハルの頭を引き寄せて不器用なキスをした。 「ん…これでわかっただろ」 「好き…勇也、大好き」 「恥ずかしいからもういいって…それより、ハル」 これから言うのはさっきハルに言われたよりも恥ずかしいことなんじゃないかとか、自らこんなことを言うなんて俺は正真正銘の変態なのではないかとかそんなことを思ったけれど、もうそんなことを気にしている暇もなかった。 早く、早くハルが欲しい。 「もう、俺のこと…めちゃくちゃに、してほし…い」 赤くなった顔で目を逸らすと、すぐにまたハルのものが宛てがわれてゆっくりと中に挿入されてきた。 その待ち侘びていた快感に全身が悦ぶ。 「あぁ…っあ、はる…」 「声、まだ校舎に人いるから気をつけて」 「待っ…あ、おく…だめ、んんっ!」 いきなり奥を突かれ、さっき言われたばかりなのに大きな声を上げてしまう。 衣装が汚れないようにスカートが捲られ腹部にかかる。寝ている体制だから既に硬くなった自分のものが強調されているみたいで恥ずかしかった。 「はるっ…ぁ、はげし、もっと…ゆっくり、あ、あっあぁ…」 「めちゃくちゃにして欲しいんでしょ?ちゃんと声我慢して」 「んぅ…っん、んんっ…やぁっあ!むり、むり…っ」 椅子の背に辛うじて乗っていた足が滑り落ちると、ハルがその脚の太ももを掴んで上にあげた。恥ずかしい格好になってしまった上に、ハルがもっと奥まで入ってくる。 脚を掴む手がニーハイに入り込んで、脱がすように膝裏まで滑っていった。 「見られちゃうかもよ、俺と勇也がセックスしてるところ」 「言う、な…あっ、やだ…止まっ、て…あぁっ!」 「勇也が欲しいって言ったくせに…どう、気持ちいい?」 「あっ…あ、あ、あぁ…っん」 まともな返事もできない。ただ気持ちよくて、ハルの動きと合わせるように声が漏れていく。 このままでは本当に声でバレてしまうと思い必死に両手で口を押さえた。 「ねえ、勇也…一緒にイキたい」 「んっんん…も…もう、いく…」 「だめ、我慢して?」 「あぁっ!あ、むり…そ、な…はげし…」 激しく中を突かれるも、ハルに言われた通り必死に我慢する。 でももうこんなの無理だ。こんなに激しくされたらすぐに達してしまう。 「はる、も…むり、いく…っごめ…あっあっ」 「いいよ…あと少し、キスして勇也」 ハルに上半身を起こされ、言われた通り深くキスをする。くぐもった声をお互いに漏らしたまま、ついに達してしまった。それと同時にハルが中で果てた。未だに体は余韻でビクビクと震えている。 崩れ落ちるように机から落ちそうになったのをハルが支えて抱きしめた。 「ん、我慢できてえらいね」 頭を優しく撫でるハルの手に自ら擦り寄る。達したのと同時に俺も果ててしまい、結局衣装は少し汚れてしまった。 甘えるようにハルがもう一度キスをしようとすると、外から生徒達の足音と下校を催促する教師の声が聞こえてくる。 それを聞いてようやく慌てて帰り支度を整え、汚れてしまった衣装を手に立ち止まった。 「これ、どうすっかな…」 「こっちは我慢できなかったんだね」 「うるせえ…取り敢えず持って帰って洗うか」 袋に衣装を仕舞い、そそくさと学校を出ていく。帰り際にハルに手を握られて少し驚いたけれど、それを拒もうとは思わなかった。 そして俺の今回の失態から、ハルの香水使用はしばらくの間禁止となった。

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