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第306話Target④

何回寸止めされたのだろう。それすら分からなくなってくるくらいには限界が近づいていた。 あと少しの所で引き留められて、気持ちがいいのにもどかしくて仕方が無い。 「あっ…あ、あ、いく、いっ…!な、んで…抜くんだよ…っ」 「もっと我慢して、ほら」 「あぁっ!んん、ん、や、だ…も…いきた、あっ…」 「涙目でお願いされると弱っちゃうな」 そう言いながらもまた達する直前まで追い込まれて止められる。プライドを捨ててイキたいと何度懇願しても寸止めは続くのだった。 「も…いかせて、んっ、んん…はる、おねが…」 「そろそろかな…意地悪してごめんね」 ようやくこの苦しみから解放されると思って安堵すると、ハルは何故か箱からえげつない形をしたバイブを取り出す。 「な、んだ…それ…」 「今から好きなだけイかせてあげるから」 「やっ…それ、ちが…っそ、じゃな…そんなん、入んねぇって」 「いっぱい慣らしたんだから入るよ」 よく分からない無数のヒダのついた太いそれに思わず後ずさりする。壁際まで追い込まれてついに逃げ場がなくなった。 「ケツこっち向けて」 「や、やだ…絶対、入んない」 「大丈夫だって、俺のより少し太いだけでしょ」 壁に縋るように背を向けてしまい、足を引っ張られ腰を掴まれる。 まずいと思った時にはもう遅くて、その先端が自分の中に侵入してくるのが分かった。 「ひっ…あ、いた…っ」 「痛い?大丈夫?」 「やだ、やっ、あっ…入っ…て…」 「ゆっくり入れるから力抜いて」 ゆっくりと挿入されることによって内壁がヒダで少しずつ擦られるのが耐えられない。言うほど痛くはなかったけれど、間違いなくこれを奥まで入れられたら達してしまう。 さっきまで焦らされた分体は期待するようにまた火照っていく。 「あっ、待って、はる…やだ、あっあっあぁっ!」 それが奥までいっきに入れられると、散々溜まっていた分が弾けたみたいに体が大きく跳ねた。余韻すらずっと絶頂が続いているかのように気持ちよくて、そのバイブを中に咥えこんだまま肩をふるわせる。 「…イッちゃった?」 「あ…あっ…」 まともに言葉も発することができないまま、開きっぱなしになった口から唾液が垂れる。 「さっき我慢した分気持ちよくなってね」 「やだ、も…いい、やっあっ…これ、動いて」 くぐもった音を鳴らしながら中でバイブが蠢く。止まることなく中を責め立てられて声も震えも止まらなかった。気持ちが良すぎて怖い、このままではまたすぐに気をやってしまう。 「あぁっ、あ、あっ…んんっ!あ、あ、いくっ…やだ、あっ!」 「好きなだけイッていいよ」 「やだ、や、あっ…も、いく、あぁっ!」 絶頂を迎えたあとすぐにまた絶頂が迫ってくる。自分でも頭が追いつかなくて涙が溢れた。 「やっ、やだ…またいっ…ちゃ、あっんん、んっんん!」 「気持ちよさそうだね」 「やだ、も…しぬ、やぁっあ、あ、あ…っ!」 絶頂で死んでしまうのではないかと思うほどほぼ間隔など無しに快感が押し寄せる。 「大丈夫、死んだりしないよ」 「あっ、あ…っやだ、さわん、な…くるし」 壁に体を押し付けられて悶えたまま、前をゆっくり扱かれる。相変わらず棒は中に入って固定されたままだ。 「これ、外してほしい?」 「んっ…ん…はず、し…て」 「じゃああと何回か中でイけたらはずそっか」 「やだ、やだぁっ…も、いきたくない、いきたく、なっ…あぁっ、あんっ…んん!」 達した直後にすぐにまた絶頂を繰り返すせいで意識を手放す隙もない。こんなの生き地獄だ。 「さっきはあんなにイキたいっておねだりしてたのに」 「やだ、も…むり…っはる、はる…おねが、やめて」 「…ごめんね、ちょっといじめすぎた」 ずるりと中のバイブが抜ける。ヒダが中で擦れてまた腰が跳ねてしまった。 「じゃあこれ外したらシャワー浴びて寝ようか」 「…やだ…いや、だ…」 「本当にごめんってばもうしないから」 「まだ…お前と、してない…」 言ってしまってから自分でも何を言っているのだろうと冷や汗をかく。 このまま続けたりなんてしたら正気で居られないのは分かっているのに。体がハルの熱を求めてしまった。 「…煽ったのは勇也なんだから、後悔しないでね」

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