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第307話Target⑤

後ろから手首を掴まれて壁に押え付けられる。ベッドの上で立膝をした脚の間にハルの膝が入り込んできて、逃げ出せない状態になった。 「待っ…はる」 「待てない、もう入れるよ」 「やだ、あっあ…!」 ゆっくりと抉るようにハルが中に入ってきて、その熱に体は喜びを露わにしてハルを締め付ける。下腹部が熱くなって、ただ入れられただけなのにいとも簡単に絶頂へ追い込まれてしまう。 「入れただけでイッたの?」 「ちが…あっそこ、や…」 「もっと声聞かせて」 「あっ…あぁっ!ん、ん…はる、あっ、あっ…」 容赦なく下から突き上げられて、空気を握りながら何度も壁を引っ掻く。 「や、だ…これ、抜いて…」 「中だけでも気持ちよくなれるでしょ?」 中を突くのと同時に指先が胸の突起を摘む。その度に恥ずかしい嬌声は止むことなく漏れ出していった。 「あっあぁっ…はる、い、く…っ」 「可愛い。好きだよ勇也…勇也は俺だけのものだからね」 耳にキスをするハルの唇の感触だけで達してしまいそうだ。 ビクンと腰が跳ねるがハルはまだ達する兆しを見せない。ハルの膝でこじ開けられて自分の脚は強制的に開かれたままだ。 打ち付けるように、愛おしそうに、必死に、ハルは俺の体を貪り食うように抱いた。 また中で何度も達し、だらしない顔をしたまま喘ぎを漏らす。ようやくハルが中で果ててから、尿道に入っていた棒が抜かれた。 「すっご…溢れだしてくるね」 「やだ…見んな…」 「いっぱい中でイけてよかったね?本当に女の子になっちゃうかも」 こんな格好をして、中で達し続けて、それで本当に女になれればいいけれど。 今はそんなこと考えるのも面倒だ。ただ気持ちが良くて、ハルが好きだった。 「はる…」 「ん?」 「ん…」 目を閉じると、ハルが笑いながら唇を重ねる。ただただ幸せだった。なんども唇をつけては離し、愛を確かめ合う。 「勇也はどこにも行かないでね。ずっと俺の勇也でいてね」 「わかってる…何回言わせんだよ」 「ごめん、不安なんだ」 「ずっとお前のもんだよ…ハル」 微睡みに溶け込んでいって、目が覚めたのはインターホンが鳴った時だった。 起きた時にはもう外は明るくて、着ていたはずのセーラー服も無くなっている。そもそも何も着ていなかった。 「ハル…佳代子さん来た」 「んー…もうそんな時間?」 「お前が出ろ」 「まだ眠い」 どっちが出るか口論していると、下で鍵の開く音がした。そうだ、佳代子さんも合鍵を持っているのだった。 「遥人さーん?双木さん?どこにいるの?お留守かしら…」 「上にいるよ〜」 ハルが大きな声でドアから顔だけを出して下に向かって叫ぶと、階段を昇ってくる音がした。 「バカ!どうすんだよまだ服着てねぇのに!」 「服着てない勇也が悪い」 「脱がせたのお前だろ!」 「セーラー服のままが良かった?」 そんなことを言い合っているうちに佳代子さんが部屋まで到達してしまい、俺は咄嗟に掛け布団に身をくるんだ。 「あら…ごめんなさい、お邪魔だった?」 「ち、違います!今まだ寝巻きなんですぐ着替えますから!すみません!」 「ごめんなさいね、何かあったのかと思って…本当に若いわねぇあなた達」 笑いながら佳代子さんは下へ降りていき、ついカッと顔が熱くなった。 「じゃあ俺が着替えるの手伝ってあげる」 「…いい」 「遠慮しなくていいのに…服これ着てね、俺下で待ってるから」 ハルが降りていった後、軋む体を起こしながら伸びをしてゆっくりと服に着替えた。 このときは大したことを考えていなかったけれど、今日俺は自分の人生の中でもそこそこの大きさの決断をすることになるのだった。

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