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第315話Colon④
ぼんやりしているうちに汚してしまったズボンと下着が足から抜かれていく。気づいた時にはハルに深く口付けをされていた。
「気持ちよかった?」
「も…いい、から…さっさとやれよ」
「もっと素直になればいいのに」
「あっ、あ…そこ、ちがっ…」
ハルの手が胸元をまさぐり始め、壁に縋り付くように逃げる。快感から逃れようと手を握りしめるが壁を掴めるはずもなく、爪をたてながら声を漏らした。
「勇也、壁に耳あててよく聞いてごらん」
言われなくても今の体勢なら壁に耳を当てざるを得ないのだが、よく耳を澄ますと微かに声が聞こえてきた。
「隣の部屋の人達もまだ起きてるみたいだね。さっきから結構笑い声聞こえてくる」
「やっ…!あ、あっ…ん…」
「誰だったかは覚えてないけどクラスメイトだよね。勇也も大きな声出さないように気をつけて」
「んっ、んん…あっ、やだ、指…抜い…」
壁が割と薄く隣に声が聞こえるということを認識させた上で、ハルは後ろから中に指を入れてくる。ゆっくり解すように中をかき混ぜられ、壁に向かって嬌声を響かせながら必死に耐えた。
「中柔らかいね。ちゃんと準備してくれてたんだ?ごめんね」
「う、るさ…黙れ…あっ、やだ、や、あっ…ごめ、違っ」
「そんなに隣に声聞いて欲しいの?」
一気に指の数が増やされ、呻くような声が出る。咄嗟に自分の口を押さえるけれど、激しく責め立てられるとそれも意味なく指の隙間から押さえきれなかった声が漏れていった。
ハルに慣らされた体はそれでも指なんかでは満たされるはずがなくて、やめてほしいくらい気持ちがいいはずなのにもっと欲しくなってしまう。
「やだ、はる…も、むり、あっ…」
「こら、静かにって言ってるでしょ」
「ん、んん…んっ、ほし…はる、ほしい、から」
半べそをかきながらハルを仰ぎ見てそう強請ると、ハルの表情が一瞬ピタリと固まって直ぐに俺をベッドへと押し倒した。
「…いつからそんなにあざとくなったの?」
「しら、ね…いいから、はやく」
「どんだけ溜まってんの勇也、さっきあんなにイッたのに…」
「うるせぇ!いいからさっさと…」
その瞬間コンコンという小さな音がこだました。俺もハルも同時にドアの方を見ると、何やら喋っている声が聞こえる。
どうやらノックされたのは隣の部屋の扉らしい。
『騒いでないで早く寝ろ。明日の集合遅れるなよ』
学年主任の声だ。隣の部屋の生徒の気のない返事も微かに聞こえる。
そのまま去っていくかと思いきや、足音は俺達の部屋の前で止まった。
「勇也出て」
「はぁ?なんでだよ」
「じゃあ俺が後ろからついて行ってあげるから」
「ふざけんな、服着てな…」
『お前らもさっきから喧嘩してるだろ、隣の部屋にも聞こえてるぞ。一回出てきなさい』
隣の部屋に聞こえてると分かって冷や汗が垂れるが、特に教師が動揺している様子もないし本当にただの喧嘩だと思われているのだろう。
「ほら、勇也おいで」
「ちょっと待てって…!」
Tシャツ一枚しか身につけていない格好のまま扉付近まで連れていかれ、少し扉を開けてハルが外に顔を出す。こんなのいつバレてしまうかもわからないのに、俺は顔だけ教師に見えるようにハルと扉の隙間を覗いた。
『何があったから知らないが周りにも聞こえるし静かにしろ。明日は朝食ちゃんと来るんだぞ』
「すみません…ちゃんと仲良くします」
『…まあ、色々あるのかもしれないが先生達はそこまで面倒は見きれないからな』
「すみませんでした…」
ハルが頭を下げたから俺も同じようにすると、急にハルの手が体を撫で回し始めた。
「ひゃっ…」
『何だ双木、お前も反省してるんだろうな』
「して、る…っしてます…」
『…双木は具合でも悪いのか、小笠原』
指が少しずつ中に入ってくるのを片手で阻止するが、もう片方の手は口元を塞ぐので精一杯だ。教師の言葉などまともに入ってこない。
「そうなんですよ、だから無理するなって言ってるんですけど」
『もし酷いようなら一度養護の先生に…』
「だって勇也、どうする?」
「あっ…んん、ん…大、丈夫…っす」
どうにか声を絞り出して返事をする。教師は怪訝な顔をしているから、これ以上変に喋ったら絶対にまずい。
『本人が言うのなら、まぁ…もう早く寝るんだぞ、いいな』
「はい、おやすみなさい」
教師が踵を返し扉が閉められた瞬間、俺は緊張が解けてその場にへたりこむ。肩で息をしているからか苦しい。
「お前、いい加減に…」
そこで、間髪入れずまたハルが俺を押し倒した。
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※他サイトの本編の更新に追いついてしまったので、毎日更新ではなくなります。ご理解の程よろしくお願い致します。
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