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第317話Itch
「勇也、そんなに我慢しなくていいのに」
「あっ…あ…これ、もう…」
「今は何もしてないよ?何かして欲しいならちゃんと言いな」
痒みのような快感のような、ただ訳が分からなくてもどかしい。
ほぼ床に倒れ込むようにして脚を固く閉じる。
「床に寝たらダメでしょ、ちゃんと起きて」
「あっ!…ん、う…」
後ろから強引に四つん這いの体勢に戻され、その瞬間また痒みが襲ってくる。
今すぐにそこを擦りたくてたまらなくなってしまうほどに辛かった。つい我慢できず自分のものに手を伸ばそうとすると、ハルにその手を掴まれる。
「自分で触ったらダメ、いい子にしてて」
「やだ…ぁ、も…むり…やめろって」
「本当はここまでするつもり無かったけど、ごめんね」
そう言うとハルはスーツケースに付けていたベルトを取り外して手早く俺の両手首を縛り付けてしまった。前に縛られたからそのまま床に両肘をつける形になり、四つん這いから自力で動くことが出来ない。
「なに、すんだよ…外せばか」
「だって外したら自分で触っちゃうでしょ?」
「はぁ…あっ…くそ…やるなら、はやくしろよ」
「うーん、その態度どうなの?」
ハルがまたクリームを手に取り始めて体が拒否を示すように震え始める。逃げる暇もなく上半身を押さえつけられて、その手が胸の突起にクリームを塗りこみ始めた。
「やっ、あ、あ…も、やめ…はる」
「ずっとここも硬くしてたの?やらしいね」
「ちが…っあ、やだ…」
じんじんと疼きながらそこも痒みを帯びていく。媚薬に近いような、塗られたところだけ熱くなっていく気がした。
どんなに唇を噛み締めても涎が勝手に垂れてしまいそうな程だ。
「辛そうだね?」
「あっ…あ、もう、いい…から、さわって」
「どこを触って欲しいの?ここ?」
ハルの指が優しく俺のものをなぞる。腰の震えと同時にいつもより強い快感が押し寄せた。
「あっ!…そ、こ…もっと」
「こう?」
「ちが…もっと、つよく…擦って」
いよいよ自らハルに触って欲しいと懇願してしまった。無理もない。こんなの耐えられるはずがなかった。
ハルの手が俺のものを包み込んで強く擦りあげる。それがありえないくらいに気持ちがいい。けどまだ足りない。
「これでいいの?」
「あっ、あ、あぁっ…もっ、と」
「あーあ、床にいっぱい零してるよ。やっぱり栓しないとだめだね」
それを聞いて体が強ばるがもう遅かった。ハルはステンレス製の細い棒を取り出し、あろう事かそこに先程のクリームを塗り込んでいる。
「待っ…やだ、それは、無理だって、あっ、あぁっ…」
「危ないからじっとして。潤滑剤代わりに丁度いいでしょ、これ」
「やだ、やっ、あ…んんっ」
中へ棒が入ってくる異物感と快感、そして後からじわじわと熱を帯びて痒みを伴っていく。
棒が出し入れされてさらにそれは尿道の中へ塗り広げられた。
「あ、あ…かゆい、やだ…も、やだぁ…」
「泣かないで、ちゃんと擦ってあげるから」
「あぁっ!あ、ん…っちが、そ、じゃな…」
涙と涎が勝手に垂れてきてしまうほどにおかしくなっていた。今すぐ全身を掻きむしりたいくらいだ。塗られたのが性感帯とだけあって、官能的な刺激まで受け取ってしまう。
床に突っ伏した状態で、その床へ自分の胸を擦りつけるように体を振り乱した。
「何自分で乳首擦ってんの。ダメでしょ?」
「んぅ、んんっん…あ、やっ…」
「触って欲しいならちゃんと言わなきゃ、ね?」
「さわ、って…はやく、あっ…あぁっ!」
いつもより強めにそこを引っ張られて、潰すようにされると痛みより快感ばかり受け取ってしまう。
もう片方の手は相変わらず下を優しく扱いたままで、それでいて中に入った棒から先走りが滴っている。
「また汚して…悪い子」
「あっ…あ…なか、かゆ…おねが…」
「ん?中?」
ハルはわざとらしくそう聞くと、またクリームを手に取って俺の後孔へ宛がった。
正直、生きた心地がしない。
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