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第334話 番外編②〜大学生〜*

「どうしたの勇也、離してくれないとお水取りに行けないよ」 「…やだ」 「やだじゃないでしょ?ほら、いい子にして」 「…ん」 半分しか開いていない目で、ハルの顔をぼんやりと見つめる。そのまま口付けを強請るように唇を突き出した。 「…なにしてんの勇也」 「…ん!」 意地になって今度は目を瞑り、再度唇を突き出す。呆れるようなため息が聞こえたあと、少し乱暴に唇が重なってすぐ離れた。 「勇也、俺は後で怒られる筋合い全くないからね?」 どういう意味なのかも分からないまま頷くと、再びハルから強引な口付けをしてきた。そのまま舌がねじ込まれ、溺れるように呼吸が乱れる。 「ん…っあっ…んん」 「壁薄いから、あんまり声出しちゃダメだよ」 「あっ…はる、もっと」 蕩けた脳でいつもなら言わないような言葉を口にした。本心ではあるが恥ずかしくて言ったことの無い言葉だ。 それに呼応するようにハルはまた唇を重ね、唇を甘噛みしながら何度も短いキスをし続けた。 「勇也のここ、もう硬くなってるね」 「あっ…だ、め…っ」 服の上から硬くなったそこを緩く扱かれる。服や下着と擦れる微弱な刺激がもどかしくて仕方がなかった。キスしている間から溢れて止まらなかった先走りが、じんわりと下着に染みを作っていくのが自分でもわかる。 「俺のことも気持ちよくして?」 ハルにそう言われて、いつもなら躊躇っていたはずなのに自然とハルのズボンへ手が伸びる。まるでずっと待ち侘びていたかのように、下ろしたファスナーから出てきたそれを下着越しに口付けする。 「…ん、随分積極的だね、かわいい」 「かわいいって、いうな…」 下着を下ろさせ、既に硬くなったハルのそれを舌でなぞる。気持ちよさそうに震えるハルが可愛くて、上目遣いに見つめながらゆっくりと舌先で舐め続けた。 「…っ勇也、焦らすのが上手くなったね」 ハルがそう言って口元を押さえる。その仕草で何故か自分の芯も熱くなっていくかのように身体中が疼いた。 そして口の中にハルのものを含み、吸い上げるように上下させる。 「あっ…勇也、ダメ、止めて」 珍しく早く限界を迎えそうなハルを後目に、意地悪してやろうとさらに動きを加速させる。 ハルは短く声を漏らして、上を向きながら必死に俺の頭を押さえた。 「勇也っ…だめ、だって…もう」 「んうっ!」 急にハルに頭を掴まれたまま動かされ、喉の奥を突かれる。えずいて涙が出てくるが、それでもお構いなしに喉の奥をハルのものが何度も突き上げ、熱いものが直接喉に注ぎ込まれた。その独特な匂いや熱さを感じながら、拒否する間もなくそれらを全て飲み込んだ。残りを全て吐き出したあと、ようやくハルは口の中からそれを抜いた。 「うぐっ…げほっ…」 「はぁ…ごめんね、勇也。我慢できなかった」 ハルの指が目じりに溜まった涙を拭う。それに何故かまたゾクゾクと何かが身体を駆け巡った。 「…今のでまた興奮しちゃったの?」 苦しかったはずなのに、それは萎えることも無く硬いまま涎を垂らすように先走りで濡れている。 「勇也も触って欲しい?」 「ん…さわって、ほし…」 よほど俺が素直に答えたのが珍しかったのか、ハルは唾液を飲み込んでこちらに腕を伸ばしてきた。

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