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第335話番外編③〜大学生〜*

「あっ…あっ、はる…」 「勇也、動かないで」 ズボンを足首まで下げられ、下着の上から硬くなったものを優しく擦られる。待ちわびていた刺激に耐えられず、身体がそれから逃れようと跳ねた。 「下着、ぬが、せ…あっ」 「直に触って欲しいの?」 「ちがっ、よごれ、る、から…」 本当は下着が汚れることなんて今更気にしていられなかった。その優しい手つきがもどかしくて、下着は我慢できず溢れ出た先走りで濡らされてゆく。 ハルはとうに限界を迎えた俺の顔を見ると意地悪そうに目を細め、下着の上から強く押すように刺激を与え始めた。 「はぁっ!あ、あっ、だめ…やだ」 「勇也、邪魔しちゃだめでしょ?」 咄嗟にハルの手首を掴んで動きを止めようとすると、ハルは俺の手を止めるわけでもなくキッとこちらを睨みつけて諭した。その冷たい目に背筋が凍るのと同時に、何か別の感情がふつふつと湧き上がってくるように感じた。 「ん、いい子」 ハルの腕を掴んでいた手を離すと、今度は柔らかく微笑んで額にキスを落とされた。その瞬間心臓がきゅっと縮まったかのように錯覚し、アルコールのせいなのか口元が緩んだ。 「んっ…ふ、あっ…あっ、あ、やだ、やだっ」 「嫌じゃないでしょ?こんなに濡らしてるくせに」 より一層強く扱かれ、布と擦れた刺激がたまらなくて今にも達してしまいそうだった。 抵抗ならいつだって出来るはずなのに、素直に快感に耐えながらベッドのシーツを強く握った。 「やだぁっ、あっ!だめ、でる、むり、はるっ…」 「だーめ、まだ早いよ。我慢して」 「そんな、つよく…っやだ、も、むり…でちゃ、う…!」 「我慢できなかったらもうこれ以上してあげないよ?」 ここで達したらすっきりはするかもしれないが、火照った体がそれだけで満足できるとは到底思えなかった。ハルだってそれはよく分かっているはずで、けれどきっと本当にここ出だしたらそれ以上何もしないつもりなのだろう。 とはいえ限界を迎えた今この刺激を耐えられるはずもなかった。熱くなった顔を必死に振り乱し、歯を食いしばって快感を抑え込む。 「だめ、もう、むり…っでる、い、く…っ!」 「我慢って言ってるでしょ」 「あぁっ!も、だめ…そんな、はげし…っ」 正に達してしまいそうになったそのとき、ハルの手の動きが急に緩やかになった。身体はビクビクと小刻みに震え、達することの出来なかったもどかしさに足先を擦り合わせる。 「じゃあ、勇也がお願いしてくれたらやめてあげようかな」 「お、願い…?」 「イキたくないですってお願いしてごらん」 頭がぐるぐると回る。いつもならすんなりハルの言うことを聞くなんてことはしなかったが、今は状況が違う。どういう意味なのか深く考えることも無く、口はいつのまにか動いていた。 「いきたく、ないです…」 「ふーん、本当に?」 「ほんとに、だから…手、止めて…」 「俺は本当にイキたくないのかって聞いてるんだけど」 「は、はい…いきたくないです…」 威圧感のあるハルの言葉に肩が震える。ハルは口角を僅かに上げると、小さく頷いた。 「優しいから勇也のお願い聞いてあげるね。前言撤回したくなってももう遅いよ」 ここでようやく考える余裕ができたが、ハルはもしかしてここで終わらせるつもりなのだろうか。意地悪のつもりでそんなことを言ったのだろうか。ならこのあとお強請りでも無理やり言わせるつもりか、等と考えているうちに、ハルの手は何故かまた強く下着の上から濡れたそれを扱き始めた。 「あっ?!なん、でっ…!」 「んー?イキたくないんでしょ?」 ハルのやっている事はそれと真逆のことだ。訳が分からないまま再度やってきた快感の波をどうにか抑えようと、自分の腕を噛んだ。 「んんっ!ん、んっ…うっ、ん」 「口抑えたら声聞こえないから、それやめて」 またいつもとは違って素直にハルの言うことを聞き入れる。恥ずかしい声が遠慮なく部屋に響くと、余計に気持ちが良かった。 「あぁっ、あっあ、んっだめ、だめ、やだっ」 「イキそうなの?」 「い、きそ…はる、いきたい…っおねが、い…」 「今日の勇也は素直で可愛いね…でもだめ、さっきのお願いはそう簡単に書き換えられないよ」 そう言いながらハルは更に手の動きを激しくした。身体がビクンと大きく跳ねた。 「あっ、あっ!いく、いっ…」 達するその一歩手前で、ハルの手はまた緩やかな動きへと変わった。息が上がり、目からは涙が一筋零れる。腰が切なさに震え、手に入れるはずだった快感を求めた。 「イかせはしないけど、いっぱい気持ちよくなってね?」 ハルのその満面の笑みに、冷や汗が背を伝った。

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