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第4話Roof

屋上へ出ると、そいつは息を少しきらせながら話しかけてくる。 「双木くん、足速いんだね」 「てめぇが着いてくるから走ったんだろうが…」 チャイムも鳴ったし走れば撒けるだろうと思って遠回りして来たが、まさかここまで着いてくるとは予想していなかった。 「…おい、いいのか」 「ん?何が?」 「5限…早く教室戻れよ」 「なに、俺の心配してくれてるの?優しいんだね。双木くんはいいの?授業出なくて」 何でこいつはこうなんだ…そもそも走った後でこんなに涼しい顔をしていられるのが不思議だ。 「俺はいいんだよ…お前は風紀委員なんだろ、俺みたいな不良生徒に構ってないでさっさと戻れよ。」 「…風紀委員はじゃんけんで負けただけだって。ていうか、不良生徒だなんてどうしたの?俺、痛い目にでもあっちゃうのかな?」 「…は?なんだてめぇ」 「それはないか…だって、双木勇也は売られた喧嘩しか買わないんだもんね?」 中学の俺のことを知ってるのか。 まあ、他校ともやり合っていたから知っていてもおかしくはない。 「だからなんだってんだ…」 「すごいよね、第二中学校の筆頭で負け知らず。売られた喧嘩は必ず買うけど自分からしかけることはしない。仲間のことも大切にして、ずいぶん慕われてたみたいだし」 「お前…何が言いたいんだよ」 ここまで知ってるとなるとこいつもその手のやつか? この顔を見たこともないし、小笠原なんて名前を聞いたこともない。 小笠原遥人…ハルト? 「俺、五中の出身なんだ。双木くんうちでも結構有名だったよ」 五中ならここらの中学ではかなりの強豪。なんと言っても数が多く、俺も手こずった記憶がある。 どんなにやられても死にものぐるいで襲いかかってくることで有名だった。 しかしリーダーは一度も姿を見せたことがなく、人を駒のように操るのみ。 やられた五中のやつは何かに怯えながらいつも呟いていたのを思い出す。 『こいつらやらないと…ハルトさんに殺される…!!!』 まさか、こいつが__

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