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第12話Hidden

チャイムが鳴ると、少しだけ校内が騒がしくなってきたのがわかる。 出したあとだということもあって少しだけ意識がはっきりしてきた。 今までの羞恥が押し寄せてきて顔が熱くなっていく。一筋の涙が頬を伝った。 あれだけ恐れられてきた俺が、誰にも負けなかった俺が。 こんなふざけた男一人にいいようにされ、挙句の果てには射精させられてしまった。 しかも状況はどうであれ自分からそれを強請ってしまったのだ。今すぐここから飛び降りたい気分だった。 「泣いてんの…?」 「ほんとに…ぶっ殺すそ…」 「もっと見せて…初めて見た。そんな綺麗な泣き顔」 どう考えても綺麗なはずがなかった。 やつはまた俺の髪の毛を掴んで無理やり顔を上げさせると、舌で涙のあとを舐め、唇に啄むようなキスをした。 その口づけは先程までの荒々しいものとは違い、まるで恋人にするかのような優しいそれにまた羞恥心が煽られる。 「っ…いつまで、こんなこと…」 「まだ6限もあるから大丈夫。友達に保健室にいるってメッセージ送っといたしなんとかごまかせるでしょ」 何が大丈夫なのかはさっぱりだ。 さっきの1時間ですらひどく長く感じたのに、更に同じような地獄を味わうというのか。冗談じゃない。逃げようと動くが、すぐにそれを静止される。 「ダメでしょ、暴れちゃ。…5限終わったからすこし騒がしいね。さっきの声聞こえてないといいね〜?」 声が聞こえていたのだとしたら間違いなく自害する。 「…そろそろ、俺のもきついから。いいよね?」 見上げると、小笠原は息を荒くして随分興奮した様子だった。 ズボン越しにでも分かるくらいに膨らんだそれに、何故かこっちが恥ずかしくなって目をそらしてしまう。 そしてスッとこちらに手を差し出したかと思うと、俺の手首についていた紐を取り外そうとする。 「あ、逃げないでね」 そんなことを言われても、自由になったのだからこのチャンスを逃すわけがない。 紐が外れたのがわかり、すぐに立ち上がろうとする。しかしふらついていて腰も立たなかったので、すぐに腰を掴まれ引き寄せられてしまった。 「くっ…そ…はなせ」 「元気だね。でも逃げないで?ほら、ちゃんと出したもの…双木くんの精子拭き取らなきゃいけないから」 わざとらしく言い直したその屈辱的な言葉に、また顔が熱くなっていくのがわかった。どこまで人の自尊心を傷つければ気が済むのだろうか。 そしてポケットティッシュを出すと、妙に優しく俺の先端を拭き取る。思わず身がよじれて吐息が漏れるが、そんなのお構い無しに今度はしゃがみはじめた。 手を掴まれたままだったので下手に動くことはできなかったが、こいつが今から何をしようとしているのか察しがついたので慌てて身じろいだ。 「…双木くん、動いたら綺麗にできない。」 柵に背中を追いやられて押さえつけられ、小笠原は俺の腹について垂れてきている精液を舌で掬い取る。 くすぐったいような微妙な刺激にまた吐息が漏れてしまう。 それよりも、自分の出した体液を相手に舐め取られるという状況に混乱せずにはいられなかった。 「っん…この、変態…くそやろう…」 「なんとでも言いなよ。その反抗的な目、嫌いじゃないよ。…うん、やっぱり苦いんだね」 大体を舐め終わると再び立ち上がる。少し顔をしかめて味わっているのに何故か無性に腹が立った。 「そんなきたねぇもん…なんで舐めたんだよ…」 「汚くないよ、双木くんの味が知りたかっただけ」 さらっと言っているが非常に気持ちが悪い。 こちらが嫌悪を露わにした顔をすると、ふっと微笑んでまた腰を引き寄せられた。 今度は体が密着する形で。自分はほとんど服を着ていないから、余計に恥ずかしくなる。 腹のあたりに丁度硬いものがあたって意識せざるを得ない。 ひとりでどぎまぎしていると、また唇を重ねられた。 舌で口内を確かめるようにゆっくりと撫で、上顎をなぞられると体が反応して力が抜けてしまう。 それを待っていたのか、力が抜けるとそのまま俺をしゃがませた。そして両腕を背中の方で縛られる。 柵とは結びついていなかったが、これでうまく逃げられる気はしなかった。 「いっ…てぇ…なにす…る…っ!」 この体制になると、目の前に小笠原の硬くなったそれが見えてしまい、思わず言葉が止まる。 そして目が離せない中、焦ったようにカチャカチャとベルトを外し、その脈打つそそり立ったものを顔の前に出してきた。 他人のをこうして近くで見るのもはじめてだった。身長が大きいのもあるのか、完全に勃起しているそれはとても大きく感ぜられる。グロテスクな見た目と、その独特な匂いに顔を背けた。 しかし頭をそちらに無理やり向かせられ、頬をペチペチとそれで叩かれる。再び屈辱を味あわせられ頭に血が上った。 「ほら、舐めて」 その要求は、俺に更なる恥辱を与えるには充分すぎた。

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