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第17話Hidden⑥

どうして、どうしてこうなってしまったのか この学校に入ったから?俺が不良だったから? なにがいけなかったのか、俺ばかり不幸な目に遭う。 「…泣かないで、双木くん」 「うっう…っあっ!ぁ、あぁぁっ!んっやっ…ないて、な…っあっ」 抵抗できないのは、酒が回ってしまっているから。気持ちいいと思ってしまうのもきっとそのせい。すべて言いなりになっているのは、動画を撮られたから。 「はぁ…っごめん、ちょっと…体勢変えるね」 そういうと、小笠原は俺の片足を持ち上げた。どうするのかと思ったら、そのまま膝裏を持って高くあげ、若干俺の上半身は横を向く。 脚は開脚され、またしても屈辱的な体勢だった。 そうすることで、感じてしまうその弱いところに当たりやすくなってしまった。 「あっやだ…っ見るな、あっあっ!んっ、あ…あぁっん、んん」 「…もっと、もっと声出して…っく、俺もキツ…この体位、いいかも…こっち向いて」 そう言われて、小笠原の方を向く。きっと、俺の目は焦点が合っていないだろう。 「…っとろけちゃってるね、可愛い…」 そのまま小笠原は唇を合わせて、舌を絡めてくる。本当は噛み切ってやりたいが、仕方がないから、脅されているから、それに応えるように舌を出した。小笠原はそれに驚いて一瞬ひるんだが、それから貪るように唇を甘噛みし、舌を優しく吸われた。それだけなのにひどく体が痺れて、中への刺激と同時におかしくなりそうなほど気持ちがよかった。 「っ!!双木、くんっ…キスしたら、中きつくなったね…クセになっちゃった?」 「んっ…ぁ、ちがっ、違う!しかた、なく、あっ、あっやめ、激しく、すん、な…あぁっ!」 そうだ、今日の俺はどこかおかしい。 全部仕方なく。本当はこんなことで感じてしまうはずはない。俺はゲイではないし、変態でもないのだから。 小笠原は腰の動きをはやめて、良かったところをひたすらに責め立てた。 「双木くん…見て、ほら、ここ、繋がってるところ」 思わず見てしまうと、自分の中に小笠原のものが繋がっていてぐちゅぐちゅと音を立てて出し入れされるのが目に入った。実際に繋がっているところを見るとカッと体は熱くなり、また快感が強くなった気がした。 そのとき、ふと教室が見え、窓際にいた男子生徒が窓の外を眺めているのが見えた。こちらには気づいていないようだったが、冷や汗が滲んだ。 自分自身がが悪いことをしている訳では無いのに。 しかし、こんなところを他人に見られたら生きている心地がしない。 「急に、また締め付けたけど、どうかした?」 「や、ちが、あっ…誰か、窓の外見てっあっ!」 「っそれは…良かったね。興奮したんだ。双木くんは見られるのが好きなんだね」 見られるのが好き?そんなわけがないだろう。見られてしまったら動画をばらまかれる前に俺の人生は終わる。俺が襲われたと言ってもきっと誰も信じない。どちらにせよ、男に責められて感じてしまったという事実は消えてくれない。 見た人間はどう思うだろうか。気持ち悪い、汚い、変態…なにも挙げても最悪だ。今までの俺は、強くて、皆から慕われて、それで幸せだった。俺が一体何をした?五中に…小笠原に何か恨みを持たれるようなことをしたか?わからない。もう何もわからない。快感の中、思い出したくない父親の記憶が頭をよぎって、不快で悔しくて悲しくて、また涙が零れた。 今日はやけに涙腺が脆かった。最後に泣いたのはいつだったか… 「双木くん…よく泣くんだね。もっと我慢強い子だと思ってたけど。まぁ可愛いからいいけどね?…でも、今なにか違うこと考えてない?」 「うっ…う…くっ…ちが…」 「っ…泣かないで…ねぇ、俺こんなに酷いことしてるし双木くんが壊れていくの楽しんでるし最低だけど、それでも双木くんのこと、本当に好きなんだよ」 なんなんだこいつは。泣けと言ったかと思えば泣くなという。こんな最悪な仕打ちまでして好きだと言う。全てこいつに狂わされた。こいつのことが分からない。何がしたいんだ一体。 涙を流しながら苦しさの中嬌声をあげる。 それを吸い込むようにまた口内にあいつの舌が入ってきて、唇に噛みつかれ、体の力が抜けていく。重心は自分で支えられるようにと努めていたが、そろそろ限界が来ていた。 それを見越したのか、入れられたそれはものままに、一度俺の足を下ろした。それでも足元がフラフラとおぼつかなくてうまく立てない。 すると一度なかのものが引き抜かれた。その衝撃に少し声が漏れる。 「あっ…!あぁっ、急に、抜く、なっ」 「あ、ごめんね?抜いて欲しくなかった?そろそろ俺、出そうだからもっかい体位変えようと思って…きっと気持ちいいから、大丈夫。」 「あ、ちが…抜くなってそういう意味じゃ」 俺が喋り終わる前に、小笠原は前から俺の両膝の下にそれぞれ手を入れて、抱き上げながらM字の開脚になるようにそのまま持ち上げられた。急に体が宙に浮いて驚きを隠せない。小笠原と至近距離で向かい合って密着するのが恥ずかしかった。 そもそも、いくら体格差があるとはいえ俺の身長はそれなりなのに、こうも簡単に持ち上げられるとは思わなかった。見た目ではそこまで分からないが、恐らく筋力はバケモノ並なのだろう。 そんなことを考えていたのもつかの間、その体勢のまま、小笠原のものを俺の穴へとあてがう。 ぼーっとしていた頭で考えてみたが、もしこのまま挿入されてしまったら、自分の体重でかなり奥まで入ってしまう。そもそもこんな体勢ですることが出来るのか?急に不安と焦りが襲ってきた。 「はいるかな…力、抜いててね」 「え、いや、ちょっと待っ」 つぷりと先端が入ったかと思うと、そのまま奥まで一気に突き上げられた。すこし俺を抱える力を抜かれたので、本当に体重で奥まで入りきってしまう。こんなに奥まで入れられたのは初めてだから、声にならないような叫び声があがる。 「〜〜っ!!!!っあ、あぁ、むり、いやだっ!」 「うっ…あ、奥まで入っちゃったね。これきついけど…っ双木君の顔が良く見えていいね…ちゃんと掴まってないと落ちちゃうから気をつけてね」 小笠原の言う通り、しがみついていないとずり落ちてしまいそうで慌てて小笠原の胸元にしがみつき、足は小笠原の体に巻き付くようにするしか無かった。小笠原は、そんな様子を楽しみながら俺の腰を持って上下させる。その度に下から奥まで突かれて、突かれる度に強い快感が押し寄せた。 「あぁっ…はっ…あんっ…こ、れ奥っ、当たっ…いやっ…!」 「くっ…いいよ、気持ちいい。奥突かれるのも好きになった?しがみついちゃって。可愛いね」 「あ、ちがっあん、やっ、奥、いやだっ…これ、も、抜いて…!!」 「…俺がイけたら抜いてあげるよ。もちろん双木くんもね?」 すべてが気持ちよくて、もうどうしようもなかった。このまま、どうなってしまうのだろうか。

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