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第18話Hidden⑦

「あ…ぁ…ん…」 半ば放心状態で小笠原にしがみつきながら終わるのを待つ。あとどれ位こうしていればいいのだろう。余計なことを考えるとそれを見透かされたように突き上げられる。 「俺さ…さっきは、余裕なくてすぐ出ちゃったけど…っ実際遅漏なんだよね…これが結構しんどくてさ」 「っ知るか…あっ、んなこと…!」 「あ、でもっ、やっぱりケツって結構いいもんだね…めっちゃきついし、締め付けてくる」 きついのなんて当たり前だ。まともに慣らされた訳でもないのに、ローションの滑りだけを頼りに無理やり突っ込まれたのだから。今も実際痛みこそあるが、潤滑剤があることと、酒で判断がうまく出来ないこともあって痛みも快感と捉えてしまっているのかもしれない。 というよりかは、そこの痛みももちろんだが、縛られて擦れた腕の痛みが強いから緩和されているのもあるのか。 「んっ…は…ぁ、んん」 「また声我慢してるね。やっぱり恥ずかしい?何が恥ずかしいの?」 「ふざけ…っあっ、んな、よ…!」 「いや、聞いてるんだから答えろよ」 「あっ、いや、あっ!…ん、んっ」 なにか口答えすれば楽しそうに冷たい目で、見つめながら突き上げてくる。快感を感じているのは途中で見つけられたポイントを擦りあげられるからであって、奥まで突かれると苦しさで声が出る。しかし今は、その不快感と苦痛は快感へと変換されている。 「お前に…声、聞かれたく…なっ…あ、と…バレたら、まず…んっい、からっ…」 途切れ途切れに説明する。正直今はちゃんと頭が働いていないから自分でもちゃんと受け答えが出来ているかは微妙だ。 「えっ…俺に?最初っから結構可愛い声出してなかったっけ〜双木くん結構恥ずかしがりやなんだね」 恥ずかしいなんて次元ではない。恥辱をうけているのだ。だがもちろんそんなことは声に出して言えない。何を言っても都合のいいように捉えられてしまう。こいつとは会話が成り立たない。 「でも…誰かにバレちゃうかもっていうスリル、いいと思うんだよね…っ俺は好き」 「んっん…そんなん、思わなっ…い、あっ」 「でも、抑えようとして出てる声もいいよね…今日はまだライトな方か…」 屋上で、授業中にこれだけのことをしていて何がライトだ。というか、まるで〝次〟があるかのような言い方はやめてほしい。こんな事が二度もあってたまるか。 しばらくその体勢で腰を動かされていた。突かれれば突かれるほど、慣れてきたのかもとの痛みより快感が殆どを占めるようになった。 「うっ…う、あっ…あ、やっ」 もう出す声にも力がなくなってくる。口が空きっぱなしになって、そこからただ音が漏れているようになった。でも大きな音が出ないように、ときより口を閉じようとしたが、分かっているのか小笠原は口を開けろと催促してくる。 自分の声ももちろん、接合されたところから聞こえてくる激しい水音は、羞恥を感じるのと同時になにかおかしな気分にさせた。 すると、小笠原の吐息が段々激しく、切羽詰まったものになってくる。端正な顔を苦しそうに歪めていた。整っているからなのか、その切なそうな表情に見入ってしまう。目が合い、わかりやすく嬉しそうに笑ったかと思うと腰の動きをよりいっそう早めた。 「あっ!や、あっ…んっだめ、あっあぁっ、ん、ふっ」 「っ…あ、だめだ、双木くんの顔、見てるともっと責めたくなるっ…きっと悔しいよね、恥ずかしいよね?こんな屈辱、味わったことないでしょ…?気持ちよくてどうしていいかわからないかな…男って、初めてでもこんなに感じるものなんだねっ…うっ…それとも、双木くんが淫乱なだけ…?」 淫乱という言葉を使われると、そうしたい訳では無いのに自分の中に力が入って小笠原のものを締め付けるような動きをしてしまう。まるで自分から求めているようで、意識しないように力をぬこうと思ったがそれもかなわなかった。 俺は淫乱でも変態でもない。でも体が反応すると否定出来ない気がして、もどかしくて悔しかった。汗ばんだ小笠原は艶やかで、また目が離せない。激しくされる度嬌声も大きくなり、身体の中からなにかがふつふつと湧き上がってきていた。射精感とはまた違うそれが何なのかわからなくて、ただ声を漏らすしかなかった。 「あっ!あ、やぁ…むり、あっ変…あぁっやぁ!」 「いいよ、そのまま、我慢しないで…俺、そろそろ、出そっ…いい、よね?」 「はっあっ、やだ、むり、あっなか、ださなっ…あっあっあやだ!」 よりいっそう激しくなったかと思うと、小笠原の体はびくっと震えて、中に熱いものが流れ込んでくる。本当にそれが嫌で、嫌なのに俺の体は今までとまた違う反応をする。精を吐き出されたのと同時に、体の内側から何かが弾けたような感覚が一瞬あって、仰け反って今までよりも大きな声が出た。でもそれが何かわからなくて、意識を飛ばさないように集中した。 「はぁっ…あ…中、出しちゃったね。ごめ…一回下ろすよ」 中からそれが引き抜かれて、白濁したものが垂れてくるのがまた羞恥を感じさせた。そして床に下ろされると、力が入らず小笠原にだき抱えられるられる形になった。さっきの感覚はなんだったのか、まだ目の前がチカチカする。 「この体位きっついね…やば、めっちゃ疲れた…」 「はぁ…っあ、ぁ…」 「…立てない?あ、流石に双木くんは出なかったか…なんか悔しいなぁ」 そんなことを言っているのが聞こえるが、それよりも射精こそしなかったものの、内側からきた強い快感の余韻が抜けなくて頭がそれでいっぱいだった。 内腿に小笠原が出したものが伝って垂れていくのでさえ、刺激となって体を震わせた。 頭がいっぱいで、小笠原がまたおれのものに手を伸ばしているのに気づくことが出来なかった。

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