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第32話Aphrodisiac④

近づいたはいいものの、この後どうしたら良いのかがわからない。自分からこれを口に含むなんて考えられなかった。少し考えて、口を開いて小笠原に話しかけた。 「これ…やったら…もう、終わりに」 「はぁ?何言ってんの?あー…うーんそうだなぁ」 少し考えるような素振りをすると、スマートフォンを取り出して画面を確認しすぐにしまった。 「もうすぐ15分になるから…あと20分で4限終わって昼休みになるよね。チャイム鳴るまでに俺のことイかせてくれたら解放してあげてもいいよ。」 20分…きわどい時間だが、これさえ乗り切れれば開放される。とにかく今はやるしかない。内心、この忌々しいものを噛みちぎってやりたいと思ってしまうが。 「あ、歯ぁ立てたらどうなるか分かってるね?」 「っ……!」 心の中を読まれたのかと思い、ドキリとする。 力の差をこうも見せつけられてしまうと、殴りかかることもできない。薬を盛られていなければこちらから攻撃することだって出来たかもしれない。本当はしたくないが、とりあえずこれから20分だけ耐えよう。恐る恐るその先端を舌の先で撫でる。小笠原の体がピクリと動いた気がした。 「ん…そう…裏筋もちゃんと舐めて」 苦いような何とも言えない味がする。自分も興奮してしまっているせいで、それを嫌だと思わない自分のことが嫌だった。 裏筋にゆっくりと舌を這わせる。 これでいいのか、何が正解なのかわからない。あまりゆっくりもしていられないし、どうしたらいいのだろうか。 「今は、腕も解いてあげるから、手も使って…」 そう言って俺の腕を縛っていた学ランを取り払う。両手が自由になったが、頭を掴まれて逃げられない。薬がきれたら、絶対に殴ってやると密かに思った。 自由になったのなら手も使った方が、小笠原は達しやすくなるかもしれない。そっと手で触れて、扱きながら先端だけ口に含む。舐めさせられているだけなのに、自分の体も疼いているからか少し声がでてしまう。 「ん…っんうっ…」 「っ…やっぱり、双木くん手使うの上手だね」 〝上手〟と褒められても嬉しくない。むしろ恥ずかしくて耳が熱くなる。 髪の毛が邪魔なので耳にかけると、小笠原のものがピクッと動いた。 「あ、やばい、それ好き…っねぇ…手使うの上手なのは、お父さんにやらされてたから…?」 「んっ…!!」 体が震える。夢を見てしまった日でなければ鮮明に思い出すことはないが、そう言われてしまうと内側から恐怖心が蘇ってしまう。口でしたことは一度もなかったが、確かに手で触るように要求された事はあった。少しでも間違えるとすぐに打たれたので、仕込まれた手淫は体が覚えていたらしい。そう考えるとどうしても怖くなってしまう。涙が出そうなのを必死に堪えた。 喧嘩のとき、身体以外に傷を負うことは無かったが、こいつに関しては逆だ。体なんかよりも、心がずっと痛くなる。心に出来たカサブタを無理矢理剥がされているような気分だった。 「っ…ごめん、怖かったね…大丈夫だよ。今きみが舐めてるのは俺のだから。俺のことだけ考えて。ほら、手が止まってる」 ぐいと頭を寄せられる。少し奥までそれが入って苦しかったが、小笠原は気持ちよさそうな顔をした。 「もっと…唾液出してみて」 小笠原のものを両手で包み込むようにして、言われた通りに口から唾液を出す。薬の効果なのか、唾液は乾くことなくすぐに分泌されていく。 自分の唾液で濡れたそれに手を滑らせ、スライドするように上下に動かした。 こんなに淫らな行為を強制させられ恥ずかしいのはもちろんだが、自分自身のそれまで興奮してしまい、すこし先走りを下着に染み込ませた。それが自分でもわかってしまって羞恥に顔が染まる。 手の動きを少し早めて、その半分のあたりまで口に含んだ。どうすればいいか分からないので、とりあえず上下に動かしてみる。 「んっ…ん〜やっぱり口使うのは慣れてないね。舌使いは凄くいいんだけど」 「んっ…んんっ…うっ」 「俺のに舌絡ませるように咥えて…うん、あっ…気持ちいいよ…っ双木くんも、自分がされたら気持ちいいと思うところ、刺激してみて…っ」 そう言われてもよくわからないのだが、また先端だけを口に含み少し吸うように刺激しながら尿道の入口辺りを舌の先で舐める。これが気持ちがいいか確かめるために、小笠原のことを見上げる。気持ちよさそうに目を細めて息を荒くしていた。 「はぁっ…あっ…上手になってきたじゃん…っ、上目遣いされると、興奮する…っ」 上目遣いをしたつもりはなかったが、小笠原が苦しそうになってきたので、もしかしたらいけるかもしれないと思った。体感的にはまだ10分経っていないくらいだろう。早々に切り上げたいので、今度は奥まで咥えた。思った以上に苦しい。 「っ…奥まで、咥えたら…喉締めて、吸い上げて…」 喉の奥まで含むと苦しさは増したが、我慢してなんとなく喉を締めるように動かす。そして吸い上げるようにして口からそれを抜いていくと、水音が激しく響き渡り恥ずかしくなった。 「うっ……はぁ、あー、やば…これ」 小笠原はそう言って少し笑う。 奥まで咥えこんで吸うのを繰り返し、だんだんそのスピードをあげていった。小笠原もきつそうな顔をしていたが、俺の方も顎がそろそろ痛かった。一度口から抜き、再び裏筋に舌全体を這わせて舐める。とにかく必死に、早く出せと思いながら口を動かす。 また小笠原を見上げて見ると、何故か手にはスマートフォンを持っている。 「んっ…はぁっ…なに、してんだお前…」 まさか、と思い手が止まる。 「なにって…双木くんが必死に俺のをフェラしてる姿を収めようと思って」 「はぁ…っ?!そんなこと、聞いてなっ」 「言ってないからね。」 「っふざけるなよ!」 手を伸ばして小笠原のスマートフォンを奪おうとすると、その手を掴まれて手首のアザにぎゅっと指を食い込ませられる。 「っ…くそっ…!やめろっ…!」 「いいの?あと7分だけど…こんなことで時間無駄にするの?」 「…でも、動画はっ…!」 「今更いくつ撮られたって変わらないでしょ。安心してよ、双木くんが変なことしなければ誰にも見せないから」 二度とこんな行為を思い出したくないのに、それを記録として残されるのが心底嫌だった。脅して、自分が楽しむために人の醜態を録画する。非道としか言いようのない行いだ。しかし、時間が無いのも事実だ。今このまま抵抗を続ければ、それこそ本当に動画をばら撒かれてしまう。それを避けるためには、あとの時間でどうにかするしかない。7分は意外と短い。だが、このペースなら行ける気がする。この男をなんとかして追い込ませればいい。 諦めて再び口淫をはじめる。小笠原は満足そうに笑い、スマートフォンはポケットにしまった。激しく吸い続け、舌を酷使すると、かなり体力が消耗される。顎と舌の筋肉が疲れてきてしまい、続けて刺激を与えることが難しい。 小笠原は気持ちよさそうにしているものの、未だに達する兆しを見せない。 こちらが焦っているのが分かるのか、怪しい笑みを浮かべている。 「…あと5分だけど、ちょっと疲れてきたかな?」 「ん…っ、ふぅ…うぐっ…」 時間が無い。急ごうとまた奥まで無理矢理咥えると、変なところにつっかえて咽せる。口から出して咳き込んでいると、小笠原が張り詰めた俺のものに足をあてがった。 「…また、俺の舐めて興奮してる?」 「んっ…あっ、やめっ…ちが、う!」 「へぇ〜その割には舐めてる間もずっと勃ちっぱなしだったけどね?嫌なんでしょ、なんで萎えないのかなぁ」 そう言って、ぐりぐりと刺激を与えると、今度は振動を与えるのではなく、靴のつま先で俺のものをなぞった。思わず小笠原の足を抑えてしまう。 さっきイキかけてしまい、また小笠原のものを舐めている間にまた敏感になったそこを責められるのは辛かった。 「んっあぁ…い、やだ…っ」 「嫌そうには見えないけど?あと4分…」 下への刺激に耐えながら、また小笠原のものを頬張る。が、吐息が漏れてしまい思うようにこちからから刺激を与えられない。 下着はまだ乾いておらず、その上からまたぐちょぐちょと音を立てて靴裏で擦られる。 「んっんうっ…ふっ…んん!」 「…そんなんじゃ、俺のことイかせられないよ?ほら〜頑張って?」 もちろん俺に頑張らせる気などないのだろう。足の動きを早めて、一気に責め立てられた。 イキかけていたそこは、もう限界に近く、こっちが先に達してしまいそうだった。舌の動きが止まってしまう。小笠原の足を引き剥がそうと掴んで力を込めても、無理矢理にぐりぐりと圧をかけてくる。薬で火照った体は快感を正直に受け入れてしまい、口淫さえも気持ちが良くて無我夢中に吸いつく。 もう時間が無いから、とにかくこいつに先にイッてもらわないと困るのに、自分までもが追い詰められてしまう。 「っ…ん、双木くん、気持ちいいんだね…っイキそう?」 「んんっん…うっ…んん!」 自分が刺激を受けないように、小笠原の足を手で止めて腰を引く。しかし、急に小笠原の足が軽くなる。俺の手に残っているのは小笠原の上履きのみだった。上手くすり抜けた足が刺激をあたえてくる。靴の時よりも指の感覚や肌の柔らかさと温度が伝わってきて余計に気持ちがいい。 足の指で先端を掴むようにぐりぐりと撫でられると、あまりの快感に思わず口を離した。 「あっあぁっ!やぁっ…も、そこ、やめっ…んん!」 「…もう口も手も離しちゃったね…?まだ昼休みもいじめてほしいってことで、いいのかなっ…」 「やっあ!ちが、ちが、う!そ、じゃな…あっ!」 だめだ、折角の逃げるチャンスなのに。 悔しい、恥ずかしい、苦しい。 嫌だ、気持ちいい。気持ちよくて何も考えられない。出したい、全部出してもっと気持ちよくなりたい。早く楽になってしまいたい。 「もう…チャイム鳴っちゃうね」 「んっあぁっん…あっ!や、もう、」 もう出してしまう。そう思った時、チャイムが鳴った。その瞬間小笠原は俺のものから足を離し、刺激が失われてもなお俺の体は快感に震えていた。 「ぁ…っはぁ…ん…」 「あ〜あ、残念だったねぇ…イかせられなかったうえに、また双木くんも寸止めされちゃったね。結構気持ちよかったよ、ありがとね?じゃあ、続きも楽しもうか」 「い、やだ…っ…あっ」 「今のお前に拒否とか出来ると思ってんの?」 満面の笑みを浮かべ、小笠原は俺の腕を掴むと、辺りに落ちた俺の服を拾い上げて再び個室の中に押し込んだ。

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