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第48話Carxxx③*ー遥人ー

病院の駐車場、勇也と二人きりの車内。この車は例の〝 アレ〟だよな…。そうとなったらすることは一つしかない。 風邪で力が出ないのに必死に抵抗する姿が可愛くて、何も自制が効かなかった。ただ頭の中は勇也を犯すことでいっぱいで、ひたすらに愛撫をする。なんて愛くるしいんだろう。抑えながらも時折漏れてしまうその甘い声が欲情をかきたてた。 「ほんと、にやめろ…んっ」 「嫌なら逃げ出してみなよ」 さあ、どう抵抗してくれるかな。 と、思ったら、歯を食いしばって俺の顔面に頭突きしてきた。 思ってたよりも痛い。鼻が折れそうだ。鼻血とか出てないよな?勇也は、ドアから逃げ出そうとするが、ロックがかかっていて出られないらしい。ああ、そんな焦る姿も可愛らしい。少し乱暴に押し倒して再び愛撫を続ける。 耳を責めれば、さらに真っ赤になる。いやいやと首を振る姿がたまらない。歯を立てると体が震えるのがわかる。少し痛くされるのが好きなのかもしれない。 好きだと言えば、嫌いだと返される。 嫌いと言いながらも快感に声を漏らす。こちらを睨んでいるのに顔は真っ赤で、涙が滲んでいる。その顔が、その表情が好きだ。それ以上に、勇也という一人の人間が、存在が本当に好きだ。勇也が俺を変えた、初めて心から好きだと言える。何度言ったら伝わってくれるのだろう。 勇也は耳元で囁かれるのに弱い。それにキスをするとすぐに静かになる。自分からも舌を絡めてくれるようになった。 本当にこれ以上は持たない。合意は得られなかったけどこれだけ感じてるなら合意したも同然だろう。我ながら最低だと思うが、大抵の女はみんなそうだったし、むしろ無理矢理やろうとしても最初から乗り気のアバズレばかりだった。 そこに愛はない。 でも勇也は違う。体だけじゃない、全部好きだ。泣きそうなのか、とてもいい顔をしている。 あまりに抵抗するから仕方ない、スマートフォンで先日の勇也の音声を流す。また耳まで真っ赤にして震え出す姿も可愛い。 抵抗する勇也の手を抑えながら、下半身に身につけているものを全て取り払う。すると、小さな声で何か言っているのが聞こえる。 「…て……たのに」 「…え?」 「信じて…たのに、なんで…」 信じてた…? 勇也が、俺を?そうか、確かに勇也は今までの俺の行いを叱ってくれた。叱られたのなんて生まれて初めてだったな。それなのに俺はまた無理矢理勇也のことを犯そうとした。自分の本能に逆らわなかった。でも、本当に好きで、体が勝手に動いてしまう。勇也の嫌がる姿が好きだから、ついやってしまう。 だって、こんなに好きなのに勇也は受け入れてくれない。それなら無理矢理手にするしかないじゃないか。これでも俺は頑張って耐えたんだ、昨日の夜だって本当はもっと勇也に触れていたかった。 「わかんねえよ…っお前のこと…」 勇也の泣き顔は好きだ。でも違う、今はどうして勇也が泣いているのかわからない。 勇也は、ぽつりぽつりと言葉を零していく。 俺が少し優しくしたから、もう酷いことはしないと思っていた。自分は性欲の捌け口で、無理矢理するために遊んでいるだけだと。分からないけど辛くて苦しい。 そんなことを勇也に言われるとは思ってもみなかった。きっとここは反省すべきなのだろうが、それよりも勇也が俺のことでそんな思い詰めてくれていた事が嬉しい。俺なんかのことを信じてくれている。健気で愛らしい。 「勇也…ごめんね、ごめん」 脱がせた服を元に戻して、強く抱きしめる。 でもこんな勇也を目の前にして我慢はできない。 そして、自分の手と勇也の手を重ねて自分のものを扱いた。いきなりのことで驚いたのか、酷く狼狽している。 ゆっくりと深いキスをすれば、勇也の体の力は抜けていく。重ねた手を離して、勇也がやるように耳元でお願いすれば、仕方なく応じてくれる。その嫌々やっている顔も可愛らしい。犯される心配がなくなって安心したのだろうか。 指自体は細いのに、指の関節だけ出ていてその刺激が気持ちいい。 早く終わらせようとしているのか、勇也の手の動きが早くなる。勇也のシャンプーの匂い、僅かにのこる石鹸の香り、汗ばんだ体…嗅ぐだけで物凄く興奮する。やはり自分のものと分けていて正解だった。 限界を迎えて精を吐き出す。シートを汚すまいとしたのか、勇也が手でそれを受け止める。その仕草だけでも胸が痛くてドキドキした。 でも、このままじゃ可哀想だし、拭いてあげないと。 「あ…手に出したそれ、ちゃんと…」 ティッシュを取ろうと運転席側の方に手を伸ばしたとき、何を思ったのか勇也が手についたそれを舌で掬い取り始めた。 なぜ勇也が自分からそんなことをし始めたのか。俺がそう言うと思ったから?いや、それにしてもこれは刺激が強すぎる。 自分からやったくせに嫌そうな顔をしながらそれを舐めとっていく。薄い唇から赤い舌を覗かせて指を舐めるその姿は官能的で、いやらしかった。驚いてただ見つめることしかできなかったが、理性の箍は再び外れた。全てを舐めとったあと、勇也と目が合う。 「…ティッシュあるから、拭き取ろうって…言おうと思ったんだけど…」 「は……?」 自分が何をしたのか気づいたらしい勇也は、みるみるうちに赤くなっていく。その様子さえ愛らしくて、もう我慢の限界だった。せっかく抑えたのに、これは勇也が悪い。勇也を押し倒して服を脱がせようとする。勇也も必死に抵抗するが、俺もかなりの力で抑えつけている。まさにズボンを下ろそうとしたとき、ヤクザ二人が帰ってきてしまった。 折角いいところだったのに…でもここで襲ってしまっていたら、今度こそ勇也の信用を失うかもしれない。でも、無理矢理じゃなくするためには勇也の合意が必要で…でも全然合意してくれない。 挿れなければオッケー?でもそれは俺がきついな。勇也がいいって言うまで責めるしかないか…そろそろアレ使う頃かな。 家に帰ってからは、勇也を寝かせて、自分は準備を進めた。勇也が家に来る前から、ネットショッピングをずっとしていたんだ。今の時代は便利だ、クリックだけで何でも買えるんだから。勇也のために買ったものだけでもどれ位の金額だったかは覚えていないが、折角買い溜めたのだし使うしかない。 勇也、喜んでくれるかな。いや、できれば嫌がってほしいところだけれど。とても楽しみだ。

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