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第58話Leg②

真田は、何も気づいていないようだった。気付かれない方がいいのか、いや、気づいて止めてくれるのが最善だ。今までと違って酒や薬を使われた訳では無い。それに、襲いかかってくるという程の恐怖も無い。しかし、公共の場で、店内にはいくらか人もいるし、なにより目の前に真田がいるのだ。 小笠原の足から逃れようと、奥まで深く腰掛けると更に小笠原の足が迫ってきて余計逃げられなくなる。刺激は微弱だが、確実にそこを責められて吐息が漏れてしまう。やはり真田には気づかれたくない。ドクドクと鼓動が早まる。 「双木くん、何にするか決めた?」 「ん…っなんでも…いい」 「ファミレスで何でもいいって結構難しいだろ、双木、好きなの選べよ。遥人は何にした?」 「俺は和風定食かな」 「じゃあ俺、ハンバーグのセットにしようかな〜。双木、いっぱいあるけどどうする?」 二人の会話が全く頭に入ってこない。メニューを差し出されたところで、まともに選ぶこともできなかった。小笠原はさっきまでゆっくりと優しくそこを責めていたが、急に少し強く擦り始めた。 「あっ…おん、なじの…」 「え?」 「小笠原…と、同じで…いいから…んっ」 「オッケー…顔赤いけど大丈夫か?」 「ぁ…んっだ…いじょ…ぶ…」 「双木くん病み上がりだからさ、無理しないでね?」 お前のせいでこうなってるんだよ。真田が居なければ口で直接やめろと言えるのだが、今は手で小笠原の足を押さえるしかない。押し返そうとするとあちらも力を入れて強くこすってくるので、あまり抵抗できない。 「そっか、じゃあ食べたらすぐ帰った方がいいよな。なんかごめんな?」 「…んっ…いや…」 「夕飯にはちょっと早すぎるけどね。とりあえずボタン押そうか」 そう言って小笠原が呼び出しボタンを押した。 店員が注文を聞きにやってくる。店員がいる間も小笠原が足を止める兆しはなく、ずっと俯いて声を抑えていた。さっきから刺激を与えられていたそこは、もう固くなっていて、これ以上されたら先走りが出てしまいそうだった。 注文を取り終わった店員が去っていくと、真田はドリンクバーへと向かい、俺と小笠原だけが席に残された。小声で小笠原に抗議する。 「んっ…おい…も、やめろ…よ」 「何が?」 「とぼけんな…っあっんん…やっ」 「周りのお客さんに聞こえちゃうよ。聡志もすぐ帰って来るし…」 「んっ…だから、やめろって…あっ…」 「勃っちゃった?感じてるんだね」 「ほんとに…ふざけんなっ…んっ…あっん」 すると、真田が帰ってくる。コーラか何かの入ったグラスを持っていた。咄嗟に口を噤む。 小笠原と真田が二人で話している間、俺は机の下の快感に耐えていた。 料理が運ばれて来ても尚、小笠原は足を止めない。まともに食べられるはずなどなく、箸を持つ手が震えて、少しずつしか口に運べなかった。 「勇…双木くんが作った料理の方が美味しい」 「そんなに?やっぱり俺も食ってみたいな〜いつか作ってよ」 「お前は家に呼ばないから」 「え〜なんでだよ?いいじゃん別に」 「ダメなもんはダメ」 小笠原は、真田が家に来ることを頑なに拒否する。そんなに嫌なのだろうか、別に自分の友達を呼ぶくらいなんてことないだろうに。 「…双木、全然食べてないけど、やっぱ具合悪い?」 「…やっ…そんな…こと…なっ…んんっ」 「まだ時間が早いからお腹すいてないんじゃない?」 「…そっかー…やっぱ悪いことしたなぁ………あ、やべえ!」 「どうしたの聡志?」 「オヤジから呼び出しだ……悪いな、二人とも。俺これ食ったらすぐ帰るわ」 真田は、スマートフォンの画面を見ると焦ったような表情をしてそう言った。本当に急ぎの用なのかもしれない。俺としては、真田が居なくなったら抵抗しやすくなるため、さっさと帰ってくれた方がありがたい。 真田は、残りの飯をかっ込むように食べると、机の上に代金を置いて慌しく立ち上がった。 「多分、これでちょうどだから!ほんとにごめん、また明日!」 「ばいばい…」 真田が店を出ると、小笠原はまた冷たい笑顔になって俺に話しかけた。足をぐりぐりと強く擦り付けてきて、思わず座ったまま身をよじる。 「やっ…あっ…やめろよ…っこんな、とこで…」 「ねえ、何でまた聡志といたの?」 「それ、はっ…あっん…」 「喘いでないで答えろよ」 言っていることが滅茶苦茶だ。話させたいなら足を止めてくれればいいのに、むしろどんどん刺激が強くなってくる。 「あっ…んっ、真田が…勝手に、着いて…来て…それで…っん」 「断ればよかったのに」 「あっんっ…ことわっ…断った…けど、あっ…やっ」 「なんで俺と住んでるって言わなかったの?」 「そ、れは…っさなだが、んっ…面倒くさいと…思って…」 「…まぁ確かにね。なんでこんなに勇也に懐いちゃったかなぁ。小学校一緒だからってそこまで仲良くしたいと思う?」 「そ…なのっ、俺が、知りた…あっ…ほんとに、も、だめっ」 自分のものがどんどん熱を帯びていくのがわかる。もう先走りが出ているかもしれない、そうなってしまったらもう収まらない。まだ店内には人がいるし、きっとこれから更に増えてくる。テスト期間にも部活をやらされているところはいくつかあった気がしたので、うちの生徒が来てもおかしくなかった。 「まぁ聡志だし、アホだから心配はそんなにないけど……勇也、ちゃんと食べ終わるまで帰れないからね」 「じゃ…あっ…足、止めっ」 「食べ終わったらね」 最悪だ。とにかく今は耐えて早く食べるしかない。しかし強い刺激がくると、箸で物を掴むのも難しかった。小笠原は既に3分の1程度しか残っていないが、俺は半分も食べられていなかった。 定食だからか量も多い。手が止まると、上下に強く擦って急かされる。余計に動けなくなってしまい、小笠原の足を両手で押さえる。 「ご飯中なのに、行儀悪いよ」 「んっ…どっちが…あっん、も、ほんと、むりっあっ…」 「…完食しないと勿体無いでしょ」 手を拭いてまた箸を手に取るが、本当に進まない。もうすぐ6時だ、周りの席に人が来るのも時間の問題だろう。声が漏れないように、少しずつゆっくりと食べていく。小笠原は、いつの間にかすべて食べ終えて、俺のことを笑いながら見守っていた。 時間をかけて食べ、ようやくあとは味噌汁を飲むだけだった。しかし汁物なので、震えるとうまく飲めない。それを分かっているのか、味噌汁の器を口につけた瞬間に、先端をグリグリと刺激し始めた。下着に染みた先走りがぬめって余計に感じてしまう。 「んっん…あっ…や、だっ…」 「零れちゃうでしょ、ちゃんと飲んで」 震えながら、零れないように一気に飲み干した。すると、小笠原の足は離れていく。しかし、先走りが出てしまった俺のものは、時間が経てば収まるといったようではない。ここまで来てしまうと、もう出さないと耐えられそうにない。 レシートを手に取った小笠原は、俺の腕を引いて行こうとする。しかし、この状態で誰かに見られてしまったらただ事では済まされない。 「あっ…待っ…今、無理…」 「食べ終わったんだから帰るよ。はやく勉強したいんでしょ?」 「けど…まだ…っ」 「…どうせ待っても萎えないでしょ。それとも何、ここで出したいの?」 「やっ…違…」 「じゃあおいで」 「あっ…」 小笠原は腕を強引に引いて立ち上がらせると、そのままレジへ向かっていった。自分の下半身を隠すように前でバックを抱える。丁度レジで会計をしている時に、うちの学校の女生徒数名が入店してきてしまった。そのうちの一人が小笠原に気づき、こっちにやって来る。 『遥人じゃん!ねえ、今日大変だったね。めっちゃ色んな女子に追いかけ回されてたじゃん』 「えっ…あ、見てたの?」 『だって超目立ってたもん!馬鹿だよね〜遥人も、あたし遥人と関係持ってなくてよかった〜』 「だってお前彼氏いるじゃん」 『何言ってんの、彼氏持ちにも手出てたくせに〜』 「ねぇ、今そういうのいいじゃん、やめようよ」 『はー?何言ってんの…あれ、そっちは…』 俺に気づいてしまったようだ。睨みつけると、焦ったようにその女子は取り繕う。 『あ、じゃ、じゃあ…あたし、席行くから、またね〜…』 小走りで友達の元へと行き、何やら話しているようだった。どうせ俺と小笠原が一緒にいたことについてだろう。小笠原は、少し気まずそうな顔をしていた。また女の話が出てきたからだろうか。彼氏持ちにも手を出すなんて本当に非道だ。 「ほんとに…全員ちゃんと切ったから…」 「別に…」 また少し、謎に胸が痛んだが、気にしないことにしよう。それよりもさっきの女子がきたときからバレるかどうか不安で仕方がなかった。まだそこは萎える様子もなく、刺激を欲してビクビクと脈動している。 「じゃあ、帰ろっか」 「ん…っ」 腰に手を回され、ビクっと身震いする。単純に恥ずかしいのもあってその手を叩くと、今度は肩を抱き寄せられる。外は若干暗くなっただけでまだ明るい。下半身を気にしながら、足早に家へと帰った。

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