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第78話Offensive③
拘束は無くなったものの、力が入らなくて自分の意思で動けない。
されるがままに床に寝かせられ、脚を持ちあげられる。自分のものにはめられたリングばかり気にしていると、いつの間にか小笠原の指が後孔にあてがわれている。
その指にはローションとは違うクリームのようなものが塗られていた。
「そ…れ、なんの」
「んー…なんだと思う?」
「んっ…や、あっ…」
中に指が入ってきて、クリームを内壁に塗り込めるようにそれを動かす。先程ドライオーガズムに達した余韻があるからか、指が一本入っただけでもつらい。
「うん…これくらいでいいかな」
「また…なんか、変なもん…」
「別に変なもんじゃないよ。ほら、次はこれ入れるよ」
「ま、まだ…待っ…」
「待ってばっかり言ってたら終わらないって。案外大丈夫だよきっと。勇也なら我慢できるよね?」
中に塗られたのは、また媚薬の類かもしれない。
そんなことされたらたまったものではない。何としてでも耐えなければ。
恐らくこれで最後の玩具だと思うのだが、今まで使ってきたものよりは遥かにサイズが大きい。
といっても、小笠原が持っていたバイブなどに比べたらマシだ。
玉が連なったような形状のそれを、ゆっくりと中に入れられていく。思ったよりも素材はずっと柔らかく、球体部分が通過するたびに快感が訪れた。
「はっ…あっ…ん…や、やだ…」
「…全部入ったね。もうお尻使うの大分慣れてきちゃったかな?」
「いや、嫌だ…あっ…」
「俺とセックスしたときも、これくらい気持ちよくなれるといいね」
「やっあっ…したく、ない…っ」
力を振り絞って小笠原を睨みつけると、ふっと笑って中に入れているものを抜き差しし始めた。
小笠原の手を掴んで止めたいのだが、寝た体勢のまま起き上がることが出来ない。
「…なんでしたくないの?」
「あっあっ…やだ、動かさなっ…で」
「答えて、勇也」
「男同士なの、に…こんなの、おかしいっ…んっ」
「そんなことないよ、俺は性別なんて関係なく勇也が好きなんだから」
球体部分が抜けていく刺激が強くて、出したくないのに喘ぎ声が止められなくなる。前までこんなことは無かったはずなのに、玩具を使って責められたせいで感じやすくなってしまった。
身体がカッと熱くなっていくのを感じる。
やはり中に塗られたのは薬に違いない。じんじんとそこが疼いて止まらない。
リングをはめられた俺のものは張り詰めて、刺激を与えたくてたまらなかった。
「あっ…あん…んっう…なか、も、むりっ…」
「気持ちいいならよかった。早く俺のも入れたいんだけど、だめ?」
「だ、だめ…っ絶対、いやだっ…」
「勇也が入れていいって言うまでは入れないから、安心して」
「そんなこと…んっ、言わなっ…い」
誰がそんなこと了承するものか。絶対に、死んでも言わない。
しかし、この快感に耐えられるかどうかは別問題だ。また中でイッてしまうかもしれない。
そうなったところで、射精するわけではないし、リングでそれが制御されてしまっているのでどんなに達しても苦しいままだ。
「どうかな…勇也が耐えられるなら、俺は別にいいんだけどね?」
リングをはめられた俺のものの先端をくすぐるように触る。求めていた刺激が来たとでも言うように、身体が跳ねて声が漏れた。
「ああっ…ん、あっ、あっ…」
「ここ、触って欲しかったの?気持ちいい?」
「あっ、やっ…あ…気持ちよく、ない」
「本当?素直になりなよ」
今度は先端だけでなく、全体を包むようにして扱きあげる。ローションをつけ足され滑りが良くなったので、余計に快感が強くなった。
「はぁっあっ…だ、めっ…あっんん」
「これでも気持ちよくない?」
「んっんん…あっ…あっ…い、やだっ」
「嫌だったらそんなに喘がないよね?素直じゃない悪い子にはお仕置きだよ…」
にやりと口角を上げ、中に入っていたものを一気にすべて引き抜かれた。強すぎる快感の波がやってきて、目の前がチカチカする。
ビクビクと全身が震えて、またしてもドライで達してしまった。屈辱的だが、薬を使われたのだからこんなのは卑怯だ。
「ひっあっ…ん!やだ、あぁっ!」
「…また中でイッちゃったね?随分これが気に入ったんだね」
「あっ…あ…違、う…」
「こっちもはやく出したい?」
再び扱き始めるが、リングはやはりはめたまま。このまま出せないとわかっていてわざと言っているんだ。
「あっやだ、触んなっ…これ…外し、て」
「まだ大丈夫だよね?素直になるまで外してあげない」
素直になるというのは、つまり気持ちいいと認めて、イかせて欲しいと懇願することを指すのだろう。
もうそんなことはしたくない。小笠原の手のひらで踊らされているようで気に食わない。
第一、薬を使うなんて聞いていないし反則じゃないか。何に反則しているのかは知らないが。
「だって…ん…薬、使って」
「…へえ、薬塗ってなかったらこんなに気持ちよくならないって?」
「だって…そうじゃ、なきゃ、あっ」
「最初中でイッたときはどうだったの?」
「あっ、あれは、ちがっあっん、あぁっ」
強く俺のものを擦り、刺激を与えてくる。もう限界は近くて、本当なら射精してしまっているかもしれない。
気持ちいいのに、イキたいのに、このリングのせいでそれが叶わない。しかしここで屈してしまってはだめだ。小笠原を諦めさせるくらいには耐えなければ。
何も入っていないのに、俺の中は疼きがおさまらない。なんでもいいから突っ込んでぐちゃぐちゃにしたい、そんな考えが浮かんでしまう。
出したい、苦しい。刺激が足りない。普通ならこんなこと思うはずない、薬がすべて悪いんだ。
使われていなければ、きっと今もう少し耐えることが出来たし、2回も中で達するなんてことなかった。
あと、どれくらいこの苦しさに耐えればいいのだろう。
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