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第82話Offensive⑦

どうすればいいのか。 降りようにも繋がったままなので降りられない。自分から動くなんてできるわけがない。恥ずかしいとかそれ以前の問題だ。 「ほら、勇也が動いて」 「無理…うご、けな…」 「自分の気持ちいいところ、わかるでしょ?」 「無理だって…も、抜けよ…っ」 「しょうがないなー…」 抜くのかと思いきや、俺の腰を掴んで下から腰を突き上げる。 奥深くまで小笠原が入り込んでくるようで、身体がじわじわと熱を帯びてきた。 「あっん…!ん、動いたら、やぁっ…」 「俺のことイかせてくれたらもう終わりでいいから」 「そ…んな、できるわけ…」 「できないじゃないでしょ、やるんだよ」 早く終わるなら終わらせたいが、小笠原に見られながら動くのはどうも抵抗がある。それに、自分から腰を振るなんて、本当の変態みたいじゃないか。 小笠原の視線に圧迫され、迷いながらも少し腰を浮かせてから小笠原のものを深く咥えこむ。 自分が感じてしまうところに当てないつもりだったが、少しの刺激でも身体は反応してしまう」 「あっ…!んっ…ん、う」 「ちゃんと動いて。そんなんじゃイけないんだけど」 「だっ…て…んっ」 「…また、これ使う?」 そう言って、先程使っていたリングと尿道に入れていた棒を拾って見せる。 それを見た瞬間、顔が青ざめる。またそんなものを使われたら、意識を保てなくなるどころじゃない。 「いやだ、もう、それは…それだけは…」 「じゃあ、ちゃんと動いてごらん。自分の好きなようでいいから」 暫く躊躇して、腰をゆっくり動かし始める。自ら腰を振る屈辱に苛まれ、唇を噛んで声と涙をこらえた。 それなのに一度動き始めてしまったらもうその快感からは逃れられず、本能に身を任せて腰が動いてしまう。 「あっ…あ…んっん…」 「ん…上手」 そう言って腰を優しく撫でられる。そのわずかな感触が優しくて、思わず甘い声が漏れた。 「ん…ん、あっ…あん…」 「…すごくいい眺め」 「うるさっ…ん…見んな…」 そのうち、動くとどうしても気持ちのいい所に当たってしまい、声が抑えられなくなる。小笠原をイかせなければいけないのに、自分の方が先に中で達してしまいそうだった。 「勇也…もうイきそう?」 「んっ、ちがっあっ、あっんん、あっあ…っ」 「俺より先にイこうとしてる?…だめだよ」 そう言っているにも関わらず、小笠原はまた俺の腰を掴んで突き上げる。 今度は一回ではなく、何度も繰り返して奥深くを突いてくるので、その度に大きな嬌声をあげた。 「あぁっ!やだ、や…めっ、んっ」 「我慢しなよ。それとも、またすぐに中でイッちゃうの?」 「やっ…だ、いきたく、なっあっ…」 だめだと分かっているのに、小笠原に突かれると気持ちよくてすぐに絶頂まで追い詰められてしまう。自分の腰も自然と動いてしまっているのには気づくことが出来なかった。 「あ、だめっ…あっあっ…あぁ!」 ビクっと大きく身体が震えて、余韻で痙攣する。 中で達してしまったのは何度目だろう。本当に嫌だったのに、どうして身体はこんなに快感を受け入れ、求めてしまうのか。自分が変わっていくのが怖かった。 「あーあ…またイッちゃったね?」 「いって…なんか、ない…」 「…どうしてそんな嘘つくかなぁ」 「っ嘘じゃ…なっ」 「自分ばっかり気持ちよくなって…もう文句とか言わせないからね」 そう呟くと、カバっと起き上がって俺を押し倒し、覆いかぶさるようにしてまた深く挿入してきた。 中はまだ達してしまったばかりで、今強い刺激を与えたらどうなってしまうかくらい、自分でもわかっている。だから必死に抵抗するが、もう体力の限界で体も動かない。 「ま、待って…さっき、いったばっかり…あっ」 「俺、まだ出してないから」 不敵な笑みを浮かべると、腰の動きを早め、文字どうりめちゃくちゃに犯された。何が気持ちいいのかももう分からず、涙を流しながらだらしない声を上げて乱れる。 「やだっあっ、また、きちゃ…から、だめ、だめっ…あぁっ!」 更に何度も中での絶頂を迎えて、意識も朦朧としてきた。ただ甘美な刺激に耐えながら、声をあげ続ける。 「あ…っあっ…あぁっ…ん、うっ…あっ」 「っ…俺も、そろそろ出すよ…」 「あ、だめっ中、出しちゃっ…いや、あっ…あっいや、だって、も、やめっあっ、あっんんっ…!」 ドクドクと小笠原のものから精が放たれ、小笠原が引き抜くと自分の脚にそれが垂れて来るのを感じた。本当の限界を迎えたのか、視界が白くなったかと思うと、プツリと電源が切れてしまったかのように意識が途絶え真っ暗になった。

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