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寝顔

寝返りも打たず寄り添うように眠る隼人の頬に触れてみる。 小さな顔に均整の取れたパーツ。柔らかい髪は触り心地がいい。 無防備に魅せてくれるこの寝顔に愛おしさが増すばかりだ。 自分の寝顔を見せることも、まして相手の寝顔を見ることもない付き合いをしてきた俺は薄情なやつなのかもしれない。 見たいと思ったこともなければ一晩過ごしたいと思った奴もいない。女性と付き合った時もそうだった。まだ若かったからだろうか。のめり込めない自分がいた。 ところがどうだろう。隼人の全てが知りたい自分がいる。まして片思いなんて学生じゃあるまいし…夢中で片想いをしてきたんだ。 見ているだけでも気持ちは満たされていた。俺の環境からすれば告白するにも怪訝されるのが先だ。妻帯者に交際を申し込まれて嬉しがる男はいない。 それでも顔を見れば、跳ねるようなスキップしたくなるような、胸が締め付けられてなのに好きという気持ちが増していく。 手に入れたい。その思いが日を増すごとに強くなっていった。 想い願った愛して止まない隼人がいる。 無防備に寝顔を見せてくれる。 その寝顔を見ながら抱きしめて眠れるなんて幸せ過ぎるだろう。 その幸せはこの腕の中にいる。 擦り寄る身体を抱きしめて君と夢の中で。 そういつだってそばにいたいんだから。

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