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変な人

篠宮くんが屋上から出ていった後5分間くらい私はそこに突っ立っていた。 どうしてあんなモテそうな人がわざわざ男の……しかもオネエの私なんかに告白してくるのかしら。 私に告白したってメリットなんかないのに……。 そればかり考えていた。 まぁそんなこと考えても仕方ないわね。本人に聞かなきゃ。 ああ、その前に拓麻に相談かしら? バスケ部って言ってたからきっと拓麻は知っているでしょう。 「さてと、拓麻の所行って帰りましょ」 屋上から教室までは1分もあれば着く距離だ。 教室に着き中を覗くと、拓麻が自分の席に座ってスマホをいじっているのが見えた。 「拓麻〜! ただいま〜!」 「あ、帰ってきた」 拓麻は私を見るとスマホをポケットにしまってこっちに来た。 「おかえり。相手篠宮だったんだな」 「ええ」 拓麻と廊下を歩きながら篠宮くんの話をする。 やはり拓麻は篠宮くんを知っていた。 まぁ同じ部活で知らない方がおかしいわよね。 「いつもと違ってどうしたらいいのかわからないわ」 「どういうこと?」 「今までの人たちは軽い気持ちで告白してきていたの。オネエと付き合ったら笑い話にできるだろうな〜みたいなノリで。でもね、彼は、篠宮くんは違うの。本気さが伝わってきた」 彼は1週間でも1ヶ月でも1年でも悩んでくれていいからと言った。 そんな1年も待てるわけないだろうと普通は思う。けど、声はマジのトーンだった。そして心に響いた。 「あんな人初めてなのよ」 「なるほどねぇ。まぁ篠宮の言う通り悩んでみたら?あいつはいいヤツだよ。周りのこと見れてるし優しいし。」 「そう、少し考えてみるわ」 「そうしてやって」 にしても拓麻随分と篠宮くんを推すわね。何かあるのかしら…………ちょっと気になる気もするけど私が考えるのはそれじゃない。 告白の返事をどうするか。 篠宮くんに「1週間後に2人で話そう」と言われているからそれまでは時間がある。 それまでに考えなければいけない。 1年でも待つって言ってたけど流石にそこまで待たせると申し訳ないし、私としてもこれは早めに返事をしたい。 こういう話は拓麻よりも女子の方がいいわよね。 拓麻は今まで誰とも付き合ってないからね。 女子なら誰か彼かは経験あるでしょう。あれだけの人数いれば彼氏持ちの子もいるだろうしね。

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