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お返事しよう
翌日の朝、私は職員室に行き顧問の先生に入部届けを渡した。すると先生に「優香から聞いてるよ。楽しみにしてるね」と言われた。なので「あまり期待はしないでくださいね」と言い職員室を出た。
教室に戻り、隣の席の篠宮くんに「話したいことがあるから昼休みに屋上に来てくれる?」と言い、いつも通り授業を受けた。
そして昼休み。私は屋上にいる。
フェンスの所まで行きグラウンドでサッカーをする人たちを見て気持ちを落ち着かせる。が、私の気持ちは落ち着く気がないようでそわそわしていく。
そして心臓はいつもより速く動いている。
ガチャ
「上山?」
そんな時だった。篠宮くんの手によって扉が開けられたのは。
篠宮くんの姿を見るだけで心臓の動きは更に速くなり、全身が……例えるならそう、カイロを貼られた感じに温かくなっていく。
「告白の返事してもいいかしら」
私は覚悟を決め、篠宮くんに近づきそう告げる。
緊張でお腹痛くなってきたし軽く吐き気がするわ。
お昼に食べたサンドウィッチがお腹の中でグルグルしてる……出てきそうだけど我慢我慢。
「じゃあもう1回俺に告白させて?」
ん?もう1回告白?
って、えっ?
脳がその言葉の意味を認識した瞬間私は先程より少し冷えた身体が今度は“温かく”ではなく“熱く”なるのを感じた。
「上山紅葉さん、好きです。俺と付き合ってください」
「えっと…………よろしく……お願いします」
そう言うと篠宮くんは私に近づいてきて私を抱きしめた。
「あの、篠宮くん?」
「ん?何?」
「どうして私を抱きしめてるの?」
「上山が可愛いから?」
可愛いって…………私……男なのに……。
「ふっはは!すっごい顔真っ赤」
どうやら私の顔はとても赤いらしいです。
そりゃあ赤くもなるわよ。だって好きな人に可愛いって言われたんだもの。
「ねぇ、上山」
「なぁに?」
「紅葉って呼んでいい?」
「いいわよ……ってえ?!な、名前……!!」
「うん。付き合ってるのに苗字呼びはな〜って思って」
名前で呼んでくれるのは嬉しいけど……恥ずかしい……今まで男の人で私の名前を呼んでくれたのは親戚の男の人だけで……まぁ拓磨もいるけど私にとって拓磨は家族みたいなもんだからそれは例外。でも親戚以外で初めて名前を呼んでくれるのが篠宮くんならすっごく嬉しい。
「紅葉って……呼んで?みーくん」
「そこは名前じゃないんだな。ありがとう、紅葉。俺のこと好きになってくれて」
胸がキューとなった瞬間光琉くんの顔が近づいて唇が何かに触れた。
「ははっ、かーわい」
光琉くんが何か言ってるけど今の私には何も聞こえない。
さっきのってき、キス……よね……私光琉くんにき、キス……されたのよね……。
うぅぅ!恥ずかしい!!
「ふっ、また顔真っ赤だ。よく照れるな〜」
「笑い事じゃないわよ!」
やられてばっかの私じゃない。仕返ししないと!
チュッ
みーくんのほっぺにキスをした。
だが反応がなく、不安に思いみーくんを見ると固まっていた。
「あ、あの、みー……光琉くん?」
「はぁー……紅葉、心臓壊れるからあんま可愛いことしないで。いや、可愛いのはいいんだけどあんまりされると……ねぇ?」
「???」
ちょっと言ってる意味がわからないわ。
可愛いこととは?心臓壊れるって何?破裂するのかしら。それは大変ね。
「わかったわ。気をつける。」
「おっし。じゃー戻るか!チャイム鳴りそうだし」
「ええ」
とりあえず一件落着?かしら。
あとは部活ね。
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