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楽器体験
「まずはー……ホルンに行ってもらおうかな」
「わかりました」
先生にホルンパートのパートリーダーさんのところに連れていかれた。
ホルンのパートリーダーさんはすごく優しそうな女の人だった。
「私は大前美琴。ホルンパートのパートリーダーです。よろしくね」
「よろしくお願いします」
そのまま大前先輩に1年5組に連れていかれた。
1年5組はホルンパートの練習場所になっているらしい。
ホルンだけで10人はいるわね……。流石約150人の部活だわ。この人数でアフリカン・シンフォニーとかやったら楽しいでしょうね。
「じゃあ、早速吹いてもらおうかな。持ち方はわかる?」
「はい」
差し出されたホルンを受け取り構えた。
「音階とロングトーン……やろうと思うんだけど運指とかわかる?」
「わかります」
「じゃあB♭……ん?シの♭?ファ?うん、そんな感じの音からC……ド?ソ?まで行ったら最初の音まで下がってくれる?」
「わかりました」
楽譜上の音とピアノ音が一致しないとこういう時不便よね。だからアルファベット……ドイツ語で表したりするんでしょうけど、大前先輩は私に伝わらないかもしれないと思ったから色んな音を言ってくれたんでしょうね。
「んーテンポは60で8拍2拍ね」
「はい」
「ワン、トゥー、さん、し!」
こんな感じでトランペット、ユーフォニアム、テューバを吹き、最後にトロンボーンを吹いた。
吹く前のやり取りはトランペットでも同じようなことが起きた。が、そこは芽依ちゃんがなんとかしてくれた。
ちなみにミーティング前に話しかけてきた先輩と吉田くん?って子はテューバだったわ。
あんなに仲が良かったのはパートが同じだったからなのね。納得納得。
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