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千歳の章4(3)

「ここ、……鈴懸さま専用の孔に、します……綺麗に洗います……」 「……、織、あんまり、……煽らないでくれ、……」 「鈴懸、さま……もっと、近づいてください……なか、洗ってるところ……もっと近くで、見て……」  凄まじいほどの色香。蜜の香りに導かれる蝶の如く、鈴懸はゆっくりと泉に足を踏み入れる。  織が脚を開き、股間から孔へ手を伸ばして……指で、くぱぁ……と孔を拡げた。桃色の肉壁がちらりと見えて、鈴懸はそれを確認するようにしゃがみ込んで、なかを覗き込む。 「あっ、ぅう、……すずかけに、みられて、る、ぅ……」 「見てるよ……綺麗な、孔だ」 「ここ、すずかけの、もの……だから、……」 「そうだ、ここは俺だけのもの」 「……っ、は、ぁあっ、……嬉し、……ここ、すずかけのものに、なる、……の、……うれしい、……ッ、」  鈴懸の、視線。それはまるで質量を持つかのように織の孔のなかを撫で回し、織のなかにその存在を知らしめる。織は、孔のなかを鈴懸に見つめられただけで悦び、あなのなかをきゅんきゅんとさせてしまった。  しかし、それと同時に。脚をがくがくと震わせて、立っていることが辛くなってしまったようだ。織は「んぅ、ん、」と苦しそうにくぐもった声をあげて、孔を拡げた状態から動かない。これから、孔のなかを泉の水で清めなければいけないのに、だ。泉に立っているから座り込むことも寝そべることもできず、このままでは孔のなかを指で掻き回すことなどできやしない。 「立ってられないか、織」 「は、いぃ、……すずかけ、ぇ……」 「うん、じゃあ……ほら。こうしてやる」  鈴懸はそんな織を見かねて、織を抱き上げた。これならば……織は楽な姿勢で孔をいじることができる。  織は自分を見下ろす鈴懸を、うるうるとした瞳で見上げる。彼の腕に抱かれながら、彼のために自らの秘部をめちゃくちゃにする……考えただけでもおかしくなりそうで、けれど考えただけでも体中に歓びが満ち溢れてきて。織は、高揚ではあはあと息を荒げながら、そっと手を股間に伸ばす。 「ゆっくりだぞ、織……あんまり俺の上で動いたら、落ちるから」 「はい……」 「そうだ……勢い良く挿れるな。俺を見ながら、そっと、指を挿れていけ」 「はい……すず、かけ……」  まだ、挿れてもいないのに、とろとろと蜜をこぼしている、織のもの。なかに指を挿れたりしたら、ぷしゃっと潮を吹いて絶頂するに違いない。鈴懸はそれを危惧して、織に「ゆっくり」と念をおした。  織は、ぴったりとじた太ももの間にぐぐっと手をいれて……そして、後ろの孔に、指を這わす。鈴懸に見られながら、自分の孔を掻き回すなんて……そんな、淫らなこと。ああ、でも、鈴懸の前で自慰をしたい。私の体は貴方だけのものだ、と鈴懸のことを思いながら自慰をする姿を見せて、鈴懸に知ってほしい。  織はとろ……とした眼差しを鈴懸に送りながら、そっと、穴に指の腹をあてた。そして……言われたとおり、ゆっくり。つぷ……となかに挿れてゆく。 「んっ、……ぅ、んっ……」  ぬぷぷ……とびしょびしょになった孔に、指がはいってゆく。根本まで、はいれば。織は、「は、ぁっ……」と艶かしい吐息を吐きながら、ちょろろろ……と慎ましげに潮吹きをした。  なかまで、しっかりと鈴懸のものになることが、嬉しかったのだろう。指をいれただけで織はイッて、鈴懸に抱きかかえられながら潮を吹く。自分を愛おしげに見下ろす鈴懸を、うっとりとした目で見つめながら。 「ぁ、……あ……」 「大丈夫か、織」 「ん、ぅ……じんじん、して……も、なか、かきまわせない、……」 「ん、……無理はすんなよ。でも、ほら……俺に抱かれるところ想像しながら、指を抜き差ししてみろ。大丈夫、見てるから……がんばれ」 「すず、かけぇ……」  織は言われたとおり、鈴懸に抱かれることを想像した。部屋のベッドの上……いや、鈴懸の住んでいた、神社がいい。あの本殿のなかで、神様の恋人として、愛でられる。布団の上で、裸にされて、覆い被さられて……優しく名前を呼ばれながら、何度も体を揺さぶられる。奥を突かれて、何度も突かれて、おかしくなるまで突かれて…… 「あっ、は、ァッ、……ぁあんっ、……!」  想像の中で鈴懸に突き上げられた瞬間、現実の体が反応してしまった。織はビクンッ!と腰を跳ね上げて、性器をびぃんっ!と勃たせて、思い切り、ぷしゃー!、と潮を吹いてしまったのである。 「あっ、は、……すず、かけっ、……あっ、あっ、」  しかし……織の指は、止まらない。鈴懸に突き上げられることを妄想しているのだから。もっともっと鈴懸の熱いもので奥をズンズンと突かれたい、めちゃくちゃに掻き回して欲しい。どろどろになるまで、溶けてしまうまで。  三本の指を、ずぼずぼと穴に抜き差しする。もう腰が暴れて、鈴懸の腕から落ちそうになって。それくらいに感じていながらも、止まらない。 「すず、かけっ、……ァッ、はぁあ、んっ、……すずかけ、すず、かけ……ッ」 「見てるぞ、織……もっとだ、がんばれ……織……ほら、左手は、こっちだ」 「ふぁっ、……あっ、あっ、やぁ、ぁんっ、あっ」  鈴懸が、織の手持ち無沙汰な左手を、潮吹き中の性器へ誘導する。そうすれば、織は鈴懸にソコを扱かれることを想像しながら、ゴシゴシと刺激し始めた。  前と、後ろ。同時に責めあげる。勢いのなくなった潮がちょろ、ちょろろ……と垂れてくる性器、すっかり柔らかくなって桃色に熟れた蜜壺。織は激しすぎる自慰によって自らの体を極限まで責めて…… 「アッ……あぁあっ、あっ、あぁーっ……!!」  激しく体を痙攣させて、絶頂に達してしまった。 「織、……大丈夫か……?」  かく、かく……と震えながら目を閉じている、織。飛んでしまったのか、そのまま動かない。流石に心配した鈴懸が軽く頬を叩けば、ゆっくりと瞼を開けて鈴懸を見上げる。  とろん……とした、織の瞳。鈴懸は目を細めて、すっと顔を寄せた。息のかかるほどに顔を近づけて、指先で織の顔を撫で……優しく、微笑む。 「……霊障、とれたぞ。がんばったな、織」 「すずかけ……」 「うん、よしよし。よくやったよ」 「すずかけ……すずかけ……」  鈴懸が額を合わせて、織をあやすようにして囁きかけてやれば、織は甘えるように鈴懸の名を呼んだ。激しい絶頂のあとで、心が少し揺れているのだろう。  愛おしくなって、鈴懸が織に口付ける。唇を触れ合わせるように、そっと。  泉の真ん中で愛し合う鈴懸と織。二人を、精霊たちが見守っていた。

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