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千歳の章12(2)

「これが俺の手だ……おまえに触れていいのは、この手だけだぞ」 「あっ、……ぁあ……すずかけぇ……ん、はぁ……」  鈴懸の大きな手の平が、織の体を這いずり回る。絹のように滑らかで、しっとりと吸い付く、艶やかな肌。鈴懸に撫でられたところから鮮やかに桃色に染まり、いやらしく、ふっくらと熱を持ち始める。  鈴懸の荒っぽい吐息を耳元で感じながら、織は彼の愛撫に飛びそうになるくらいの快楽を覚えていた。じくじくと体の奥が熱くなっていき、鈴懸が欲しくてたまらなくなる。独占欲に溢れた乱暴な言葉を吐きながら、鈴懸の愛撫は切ないほどに優しかった。 「は、ぁっ……う、ぅんっ……ぅん……」  両方の乳首をきゅうっと摘まれて、織はぎゅっと脚を締めて悶えた。鈴懸に耳をくちゅくちゅと舐められながら乳首をくにくに、くにくに、といじめられると、頭のなかがとろとろになってしまう。  視覚も動きも奪われて被虐を与えられているのに、それに反する甘く優しい愛撫。くちゅ……くちゅ……と鈴懸が織に舌を這わせる音は甘ったるく、織の心を幸福感で包み込む。  強烈な独占欲。深すぎる愛情。混ぜ合わせてはいけない、相反する感情。鈴懸のそれに責め立てられる織は、もう……感じて、感じて。いつも以上に、反応してしまう。 「俺に胸をいじられるのは、気持ちいいか」 「きも、ちい……ぁあん……きもちい、……すずかけぇ……ぁん、……あぁん……」 「愛らしいな……織。もっと触ってやる。俺のことを感じろ」 「はっ、……あぁああん……」  くにゅっ、と鈴懸が織の乳首をひっぱりあげる。そして、すりすりくりくりと乳首を責めあげたのである。 「あっ、あ、ぁ……ぁ、はぁ、ん」  頬を真っ赤に染め上げて、だらりと開いた唇から舌をちらりと覗かせ、織は恍惚として絶頂に達していた。頬を布団に擦り付けて、蕩けきった声をあげて……じょろろろ……と潮を吹いている。 「ぁ、あ、」 「俺の、指。で。もっと、シてやる」 「は、ぁっ……~~っ、くっ、ぅん、んんっ、ぁは、ぁ」  ずぶ濡れになっていく織の股間。過ぎるくらいに感じている織を見て、鈴懸は目を細めた。乳首を潰すように押し込んでぐりぐりとしてやれば、よりいっそう艶やかな声が漏れてゆく。自分の腕の中でどうしようもなくなっている織は……なんて可愛いのだろう。鈴懸は自分の腕の中でとろとろになっている織の愛おしさに、余計にいじめたくなってきてしまった。 「織……乳首、触られただけでこんなになっているぞ……」 「んぅ……ん、んゃ、……」  股間に手を伸ばし、下着に触れる。すっかり潮を吸ってずっしりと重くなった下着は、もはやなんの役目も果たしていない。手のひらをあてて、たぷたぷ……と叩いてやると、織は恥ずかしそうに唇をきゅっと噛んだ。 「たくさん出したな、織」 「はずかしい……です……すずかけ……」 「ん……どうしてだ。俺は可愛くて仕方ないのに……」  下着の上からアソコを手のひらで揉んでやれば、織の腰が大げさなくらいにくねくねと動いた。潮を吸った下着は手のひらを押し付けるたびにたぽんたぽんとして、それが余計に織の羞恥を誘うようだった。しかし織は、そうして鈴懸にアソコを揉み上げられて、それはもう幸せそうに悶えている。腰をゆさゆさと揺らし、くねらせ、恍惚としながら甘い声をあげている。 「ぁは、ぁあぁん……ぁん……ぁん……あぁん……」  唾液に濡れた、唇。寂しそうに鈴懸を求めて、はくはくと震えるその唇は、鈴懸を誘うには十分すぎた。蕩けきった甘い声が聞けなくなるのは少々惜しかったが、鈴懸は衝動のままに織の唇を奪い、再び貪り出す。  希っていた口付けに、織の体は震えた。それはもう嬉しそうに鈴懸に唇を押し当ててきて、もっともっと、と深い口付けをねだっている。  そんなことをされて愛らしいと思わないわけがない。鈴懸の中の熱も次第に限界に達してきて、織のなかに注ぎたくてたまらなくなっていた。鈴懸は織の唇を吸いながら、織の下着を脱がせにかかる。 ぐっしょりと濡れた織の下着は、剥ぎ取れば、ぬちゃ……とたくさんの糸を引いた。きっと、女の股よりも濡れている。鈴懸のために存在する織の秘部は、鈴懸を受け入れるために、こんなにも……蜜に濡れている。 「織……教えてくれ、おまえが、俺のものだって。俺の前で、証明してくれ……」 「あ……」  感じすぎてくったりとしてしまった織の体を起こす。そして、鈴懸は布団の上に仰向けになって、織の手を引いて自分の上に乗せてやった。目隠しをされて目が見えない織のことをゆっくりと優しく誘導してやり……大きくそそり勃ったものに、織のぷるんと勃ったものをくっつけてやる。 「俺の前で、乱れろ。俺の前でだけ……淫らなおまえになってくれ」

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