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千歳の章12(3)

 とたんに、織はかあっと顔を赤らめた。鈴懸の望むものを理解したのだろう。しかし、拒否することは、ない。  腰をすりすりと動かし、鈴懸のものの位置を感覚で確認する。そして、腰を浮かせると、鈴懸のものの先端に秘部をくっつけた。 「んん……」  自らのこぼした蜜でぬるぬるになっているソコは、滑ってしまって上手く穴に鈴懸のものをあてがえない。手も使えないため、難しい。織はもどかしそうにむずむずとしながら腰を揺らし、なんとか、ぴたりと穴を先端にくっつける。 「織……我慢できねえよ、はやく」 「ぁう……はい、鈴懸……」  鈴懸はそんな織を下から見上げながら、興奮に頬を上気させる。  必死に、自分の中に鈴懸のものを挿れようとする姿。なかなか上手くいかなくて焦れている姿。何もかもが、可愛らしい。愛くるしい。ぴたっと穴に先端がはまったときの嬉しそうな表情なんて、世界一可愛い。  織は穴にぴったりと鈴懸のものが当たっていることを感じると、どきどきとしているように口をきゅっと結んだ。鈴懸のとひとつになれることを、心待ちにしているのだろう。 「いれます……鈴懸……」  は、は、と織の息があがっている。乳首がつんと上向きに勃って、おへそがヒクヒクしてる。ものすごく、甘ったるくていやらしい体。織は口を半開きにし恍惚とした表情で、ゆっくり……腰を落としていく。 「んぅっ……や、だ……」  しかし。ぬるぬるのそこは、うまく焦点が合わない。せっかく穴にぴたりとくっつけた鈴懸のものが、ぬりゅんっ! と滑って上手く入らなかった。奥をヒクヒクさせてなかがいっぱいになることを待ち望んでいた織は、その寂しさに、切なそうな声をあげてしまう。 「んうぅ……あっ、ひゃんっ……ぁんっ、」  それでも織ははやく欲しいのか、何度も挑戦していた。腰を浮かせて、落とす。ぬるんぬるんと何度も何度も失敗して、穴を先端で何回も擦ってしまって……織は自らを焦らし責めあげてしまっていた。  そんな姿を下から見上げる鈴懸の心境といえば、それはもう地獄のよう。自分の上で腰をゆらゆらと振り、切なそうな声をあげている愛しい恋人。流石の鈴懸も辛抱たまらなくなって、こっそり、自分のものを動かないように根元を持って支えてやった。そうすれば、また腰を落としてきた織の穴に、ぬぅっ……とはいっていく。 「あ、ぁあ……」  ようやく、はいってきた、熱いモノ。織はその悦びに頬を薔薇色に染めて、ゾクゾクと肌を粟立たせる。そして、ゆっくりゆっくり最後まで腰を落として、最後まではいると……幸せそうに笑って、仰け反って、ぷしゃーっ! と激しい潮吹きをした。 「ぁは、……ぁあっ……すず、かけぇ……あぁあー……!」  甲高い声をあげ、恍惚としながら達した織。絶頂の余韻に浸るように、ぴく、ぴく、と震えながら息をする織を見上げ、鈴懸はたまらないと言わんばかりに目を眇める。 「はぁ、……どうだ、織……この体勢なら、奥まで入るだろ?」 「は、い……おく……ごりごり、してます……」 「その、奥に……注ぎ込むからよ……腰、振れ」 「……っ、」  織の腹から、甘い匂いがした。織の体が、メスになっている証拠だ。鈴懸のものを挿れられて、織の体は鈴懸の精を求めるメスの体になったのである。最も強い匂いがするのは、織の臍のあたり。きっとそこに、先っぽがあるのだと鈴懸は確信する。  ずいぶんと、ずっぽりとはいっている。自分の大きなモノをこんなにも奥まで美味しそうに飲み込む織の体。白く、艶やかで、やわらかい……砂糖菓子のように甘くて儚い、織の肉体。こんなにも大きくて熱い肉棒を飲みこむなんて、見た目では信じられない。  鈴懸は織の体に感動してしまって、そっと、腰を掴んだ。くびれのある細い腰。鈴懸の大きな手で掴むと、細すぎるようにも見える。しかし……この腰が、すごいのだ。きっとこれから、鈴懸はそれを改めて思い知る。  鈴懸を求めてくねる、織の腰のいやらしさを。 「鈴懸……これだけ、言わせて……」 「ん……?」 「俺が、これから……いやらしいことするのは、気持ちいいのが好きだから、じゃなくて……鈴懸が好きだから、だ……鈴懸の、前でだけ……腰、振るから……」  織の頬が、かあっと紅く染まる。やはり、自ら腰を振るのは、恥ずかしいのだろう。それでも織は、鈴懸が欲しくて、腰を振る。大好きな彼の前で、乱れてみせる。  淑やかなその姿に鈴懸が魅入られていれば……やがて織は、静かに、腰を揺らし始めた。 「んっ……」  前後に、ゆっくりと。お腹をヒクヒクさせながら。 「ぁっ……ぁっ……」  ぬち、ぬち、と粘り気のある音が響く。腰の揺れは、控えめなものだ。ほんの少し、揺れるだけ。しかし、そんな揺れでも過ぎるくらいに感じているのか、織の上半身はひくんひくんと震え続けている。はぁはぁと吐息を零し、乳首をぷっくりと膨らませ、せりあがってくる快楽に悶えていた。 「織、もっと俺を欲しがれよ」 「んぁっ……! ぁあ、あぁ……」  そんな織の動きにもどかしさを感じたのか、鈴懸は織の腰をガチリと掴み、大きく前後に譲ってやる。強制的に動きを大きくされた織は、がくんがくんと体を揺らされながら、可愛らしい悲鳴をあげ始めた。 「あっ、ひぃっ、あぁっ、あぁあっ、そこっ、あっ、だめぇっ、あ、はぁっ」  奥をゴリゴリされ、前立腺をぐいぐいと圧迫され。織のものはぺちんぺちんと揺れながら、ぴっ、ぴっ、と潮を飛ばし出す。 「気持ちいいだろ……?」 「きもちいいっ、……きもちいい……!」 「よし、自分でもやってみろ、織……」 「はい、……、あっ、あっ、あぁっ」  鈴懸に促され、織も少しずつ動きを大きくしていった。腰をぐんっと前に押し出し、鈴懸のものをイイところに擦り付ける。そうすれば体が蕩けてしまうような快楽が弾けて、織は身をよじって甘い声をあげる。 「あぁ、ぁあん、……ふぁ、ん……」  しとどに溢れ出る蜜が結合部を濡らし、ぐちゅんぐちゅんと水音をたてる。断続的な絶頂が膨らんでは弾け、膨らんでは弾け、織のアソコはぐちょぐちょになっていた。ナカは何度も何度も小刻みに痙攣し、鈴懸のものを締め付け、種を奥へ出してとねだっている。  きっと、屋敷の誰もが、織を知る全てのものが、こんな織を想像できない。引っ込み思案で、他人から距離を置く、清楚な織が……男の上で乱れている姿など。甲高い声をあげ、自ら腰を振り、股間をビショビショに濡らしている姿など。  そんな織を下から見上げれば、まさしく絶景。自分の男根をぐっぽりと咥えてこんなに悦んでいる姿を見て、流石の鈴懸も理性の限界だった。 「織……次は、奥、だ……!」 「はぁうッ――!?」  鈴懸は織の尻肉を鷲掴みし……思い切り、突き上げたのだ。

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