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千歳の章12(4)
「あっ!? ぁひっ!? あっ! あぁっ!!」
突然突き上げられたものだから、織は驚いてしまった。与えられる快楽に体が反応できず、大げさなくらいにビクンッ! ビクンッ! と体を震えさせる。
鈴懸はその一突きを皮切りにして、ズンッ! ズンッ! と思いきり何度も突き上げた。鈴懸の強烈な突き上げはもちろん、突き上げと同時に浮き上がった織の体が重力でずぶんと下がった時の衝撃、色んなものが合わさって、織はすさまじい快楽に見舞われていた。
「ひぁっ! ぁあっ! ぁひっ! んひぃっ!」
「織、ほら、感じているか、俺の、」
「かんじっ、てるっ、すずかけのっ……ふといのっ……! あっ、あぁっ」
「よし、もっと感じろ」
「あっ、あっ、あっ、あっ、あっ」
ギシギシとベッドが激しい軋みをあげる。しかし、そんな軋みの音すらもかき消すくらいに、織の声は大きかった。あまりにも強すぎる快楽に、織は声を抑えられなかった。
「はぁっ、は、……織、きもちいいか、」
「きもちっ、いいっ、あっ! あぁっ!」
「よし、……もっと、気持よくしてやる」
締め付けが、すさまじい。何度も突き上げているうちに、鈴懸も絶頂が近づいてくる。
鈴懸は織を引き倒すと、そのままごろんと体勢を変えて織に覆いかぶさった。そして……織の手首を拘束していた帯を解く。
「俺を抱きしめろ、織」
「はい……」
ごりごりと腰を押し付けるようにして、織の奥を責めあげる。そうすれば織は声にならない悲鳴をあげ、しかしながら鈴懸の命令にしたがい。ぎゅーっと鈴懸に、しがみつく。
密着度が先ほどまでの体勢よりもあがったことを感じ、鈴懸はふっと笑った。そして今度は、目を覆っていた帯を、とってやる。
――その瞬間だ。
「……ッ」
鈴懸の顔を見た織が、ハッとしたように目を見開いて――一気に顔を赤に染め上げた。
きっと、視界を奪われていた時間など、半時間にも満たない。しかし、鈴懸を体で感じている間、織はずっと鈴懸の顔が見たくて仕方なかった。声が耳を犯すたびに、熱が体内を犯すたびに――鈴懸の顔を、恋しく思った。
そんな鈴懸の顔を、見ることができてしまったものだから。織は、心から幸福を感じてしまって。そして、限界までせり上がった快楽も一気に弾けてしまって。
「はっ、あ、あぁ――!」
イッてしまったのだ。どぷどぷっ、と射精をしながら、鈴懸の顔を見ただけでイッてしまった。
「あ、は、ぁあ……」
達すると同時にギチキチッ、と鈴懸のものを締め付けたものだから、鈴懸も織がイクとほぼ同時に射精した。ぎゅーっと奥に先端を押し込んで、どぷんどぷんと大量の精液を注ぎ込む。
「ぁ、あ……すずかけの……あか、ちゃん……できちゃ、う……」
「そうだよ……おまえが妊娠してくれたら、もう……おまえは俺のものなのに」
「ん、ぁ……じゃあ、もっと、……せーえき、……ください、……」
「ああ、まだ出るぞ、おまえのなかぱんぱんにしてやる」
ほんの少し、織が苦しさを覚えるほどに、鈴懸は大量の精液を注ぎ込んだ。なかで鈴懸のものがどくんと震えるたびに自分の中に鈴懸の精液が入ってくるのだと、織は鈴懸のものの動きと共に「あ、あ、あ、」と甘い声をあげている。
「鈴懸……」
ぽこり、とほんのり織のお腹が膨らんだあたりで、ようやく射精が終わる。鈴懸が自身を引き抜けば、ぴゅくっ、と穴から白濁が飛び出すくらいには、織のお腹にぱんぱんに精液が詰まっていた。
「鈴懸の、ものに、なりたい……もっと、もっと、……なかに、精液……注いで……孕ませて……」
いっぱい注がれた精液に恍惚としながらも、織はぽろぽろと涙を流す。本当に孕めたなら、彼との永遠は絶対なのに、とそんなことを思って。
鈴懸はそんな織を狂いそうなほどに愛おしく思って、キツく抱きしめて口付けをする。ほんとうに、ほんとうに、織を孕ませてしまいたい。無理矢理にでも自分のものにしたい。
爆発しそうな二人の想いが、熱を生む。二人はイッたばかりだというのに……また、愛し合い始めた。
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