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覚の章10

「おや……咲耶。ずいぶんと楽しんだみたいじゃないか」  どのくらい経っただろうか。織が意識の飛ぶ寸前まで犯されたところで、ようやく玉桂が部屋に戻ってきた。玉桂は自分を攫った張本人であるはずなのに、彼の姿を見て織はホッとしてしまう。何匹もの鬼に犯されている真っ最中であると、人間に近い姿をしている玉桂の姿を見て安堵してしまうのは仕方のないことだろう。 「ふふ……覚も肥えている。良い魂の色になってきたんじゃないか、咲耶?」 「……ぅ、」 「ふ、返事もできないか。善い。もう夜も遅い。そろそろ私のところへおいで、咲耶」 「……は、……い……」 「しかし、まあ……少々汚れすぎているな。私の褥に入る前に、体を清めてこい、咲耶。湯浴みをしてくるんだ」 「……は、い」  覚の精液でどろどろの織を見て、玉桂はにたにたと笑った。  一匹の覚が、織の体を抱え上げる。玉桂の言う通り、褥に入るには織の体は精液だらけになっていて汚れすぎていた。ぐったりとして動けない織を、覚が浴場へ連れて行く。

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