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No. 02 初めての……

「……っ!」 冷やりと素足に纏わりつく粘い感触。柔らかく包まれ飲み込むそれは未だ体験したことのない奇妙な感覚を俺に伝えてくる。 「駄目ですよ……そんな動きじゃ」 含み笑いをする男は俺の背をゆっくりと押す。 「あ、あ……っ、でも……っ」 戸惑う俺に彼が叫んだ。 「さあ早く足を動かして!大急ぎで駆け抜ける!!」 「これが――ダイラタンシー現象!」 俺はその未知の体験(ゾーン)を勢いよく走り抜けた。

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