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第24話

「ウッ…」 所詮Ωだ、βやαの男の力には敵わない。 容赦なく首を絞められた。 「や……だ、や………めて…」 生理的な涙が止まらず、頬を濡らした。 力の強さに、たまらず死を予感した。 「そこら辺になさい。」 佐久間が止めに入り、やっと手が離された。 床に放られた晴人は激しく咳き込み、必死に酸素を取り込み呼吸を整えようとした。 「今日は引き上げます。蒼斗様と離れる事は貴方にとってもプラスになります。よく考えてみてくださいね」 そう言い残して2人は連れ立って部屋を出ていった。 「あおくん……」 晴人は放られた場所から動く事が出来ず、そのまま床に蹲った。思考は闇に飲まれるばかりだった。 「どうしたら………」 暗い思考に引き摺られるように、目を閉じた。

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