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第27話
晴人の話に、強く拳を握る。
それが目に入ったのか怯えた晴人を見て、手を開き背中をさする。
「ごめん晴人…本当にごめんな。」
ボロボロと涙を流して震える晴人の肩を抱く以外に、気の利いた言葉をかけることも出来なかった。
蒼斗は晴人に見えないように片手でスマホを操作して佐久間に連絡をする。
やっと少し落ち着いた晴人を連れて一緒に風呂に入り、出た後に温かい飲み物をだしてやる。
「俺もしばらく休学するよ。出来るだけ晴人のそばに居てやりたいんだ。」
乾かしたばかりのふわふわの髪を撫でてやる。
「ありがとう…。」
いつもなら迷惑だからと拒否するのに、今日は弱っているからか素直に受け入れてくれた。
「俺は晴人が世界で1番大切な存在だからな。さ、寝るか。」
食器を片付け、寝室に向かった。
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