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第28話

蒼斗は休学の手続きを済ませに大学に行き、その足でバイト先のファミレスに向かった。 当分二人で暮らすだけの資金はあるので、事情を話して休職させてもらうことにしたのだ。 これで、治験の時間以外は晴人と一緒にいることができる。 食料と日用品を買い込み、晴人の待つ家へと急いだ。 「ただいまー。」 リビングの扉を開けると。晴人がソファに丸くなっていた。 側に寄って、ふわふわの髪に指を通す。 「んぅ…? おかえりぃ」 目を開けた晴人がふにゃりと微笑んだ。 蒼斗は、晴人の額にキスをすると買った物を片し食事の支度を始めた。 作り置きをいつもより少し多めに用意した。 蒼斗は明日、一度実家に帰るつもりでいた。 支度が終わり、眠っっている晴人を起こす。 「おはよ」 目を擦りながら擦り寄って来た晴人の頬を撫でて、額にキスをしてやる。 「もう夕方だけどな。夕食出来てるから顔洗っておいで。」

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