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好きです、先生

〜朔夜side〜 「・・・ん?」 やっと今日の分のテストの問題作成の手伝いが終わり 車に向かってる途中、保健室から明かりが漏れているのに気づく。 オレは一瞬 ためらったが保健室の前まで行く。 閉め忘れたのかうっすらと開いているドアから中を覗くと、開きっぱなしのパソコンとパソコンのすぐ隣にうつ伏せになって・・・恐らく寝落ちした高坂先生の姿があった。 (ここ学校だし、一応起こした方がいいよな) オレは「失礼します」と断りを入れて保健室に入る。 近づくと高坂先生は腕を枕にしてすやすやと寝息を立てていた。 パソコンのディスプレイには黒地にパソコンを作った会社名がくるくると中央で回っていた。 少しマウスを動かすと入力途中の問題文がパッと映った。 それを見て、あっ、と声を漏らした。 『新田、喜べ!新しいプリントだ!』 『はぁ、またプリント?全然嬉しくないんですけど』 『・・・このプリントはなお前の苦手な部分と得意な部分をまとめた特注プリントで、これを解けば自分の得手不得手がより分かるし無敵になれる!』 『どーせコピペしたやつでしょ?』 『もしそうでも悲しいからコピペとか言うな!コピペでも何でも自分を知ればどうすればいいか今後の攻略方法が分かるし、損は無いからとりあえず解け!』 ふと、オレが勉強を教えて貰っていた時によく先生がプリントを作ってくれていたのを思い出した。 (もしかして、あの時毎日渡してくれてたプリントって・・・) 苦労も嫌な顔も全く見せず、他の仕事も沢山あるのに毎日オレを思ってこうやって作ってくれていた事を知り 胸が苦しくなる。 「・・・酷い事を言ってごめんなさい、先生」 オレは高坂先生に視線を戻す。 質素の薄いミルクティーのような茶髪に、パッチリ二重でグレーがかったアイスブルーの瞳は長い睫毛に縁取られた瞼で隠されている。 そういえば、前に『母親が外国人で、派手なのは見た目をだけ』と笑って言ってたっけ。 そんなモデルでも出来るのではと思う華やかな容姿の彼をよく見ると目の下にクマがあった。 (疲れきってるんだろうけど、よく起きないな) 見た目とは逆に真面目で仕事熱心な彼の頭をゆっくりと撫でる。 髪は見た目通り柔らかくて指通りが良く、触れている部分からじわじわと熱を帯びてくる。 「・・・んっ・・・ぁ、らた・・・」 高坂先生はもぞっと動くがすぐにまた動かなくなった。 ドキッと心臓が大きく跳ねる。 「高坂先生・・・」 オレは高坂先生にもっと近づく。 頭を撫でてくる時に香る柑橘類の香りと先生の匂いが濃くなる。 「好きです、先生・・・」 そして、オレは 先生にキスをした。

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