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第150話

彼がその手をつかみのしかかってきた。 「あ」 足が滑り、身体がお湯に沈んだ。 唇を合わせたまま、頭まで沈み込む。文字通り息ができない。 あわてて起き上がろうとするが、東城が力をかけたので浮き上がれない。 ぶくぶくと泡が出る。 水中でも東城は眼を開き自分を見ている。 何を考えているのかわからない不思議な表情だ。 苦しくて暴れたらやっとお湯から身体を持ち上げられた。はあはあと空気を吸った。 せわしなく息をしているのに東城がさらにキスをしてくる。酸欠でおまけに体温もあがりっぱなしでつらい。もう、何が何だか分からなくなった。 ぐったりしていると抱きかかえられたまま後孔に指をいれられた。 お湯の中で、彼の指がためらいなく入り込んでくる。少しひらかれ、その後すぐに、湯船の硬いへりに背中を押し付けられた。 こうなると身体が痛い。だがそう抗議する間もなく、腰を抱え上げられ、下から性器を突き入れられた。 硬くて怖い。嫌がることもできないくらいに強引だった。 彼の目が先ほどの不思議な色から完全に欲望に変わっている。 息苦しい中で準備もなく入られて、広瀬は我慢できず啼き声をあげた。 もがくと押さえつけられる。 自分を広瀬の中に押し進めながら東城が「気持ちいいって声、だせよ」と言った。 意味が分からないと言おうとしたが、ねだるような啼き声しか出ない。

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