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第151話

いっぱい入られて、東城が腰をいれ好きに揺さぶってくる。 ゆっくりひかれて、ぐっと突き入れられる。 それが何度も何度も続いた。 こすれたところが熱い。身体の中がすれてこすれて焦げていく。 そのうちに、全身が燃えていってしまいそうだ。 「やける」とがくがくした声で言った。 東城が傲慢に喉をならした。「全部、広瀬」と彼は言った。 心臓がガンガンとうっている。頭がくらくらする。 こうしていたら、浴槽の中に沈んでしまうだろう。今度は、浮上できないかもしれない。 必死に東城の肩にしがみつき爪を立てて落ちないようにした。 お湯の中で密着した身体。隙間がなくぴったりと合わさった。燃えて溶けて、くっついてしまう。 腰が回され、下から何度も突き入れられた。広瀬の快楽はまったく後回しで、彼が自分の欲を押し付けてくる。 愛していると何度か言われたような気がした。 これが愛なら、苦しすぎる。 全身の血がどこかにいってしまいそうだ。 飛ぶ、と思った。 遠くで彼が「焼き尽くせるならな」と言っているのが聞こえたような気がした。 半分意識がなくなって、やっと解放された。 気が付くと、浴室のぬるいタイルの上に横になっていた。手足の力は抜け、だらんとしている。休んで冷まさないと立ち上がれない。 東城が冷たいタオルを持ってきて額に当ててくる。 気持ちいいが、まだ身体は熱くほてっている。早く冷まさないと、このままずくずくと燃えていってしまいそうだ。 記憶のデバイスで東城とのことを思い出したくない理由はこれだ。 彼といると、快楽が深すぎて、辛く苦しい。 いつもそうだ。 全身がうれしがっているのに、呼吸が苦しくて、心臓がドキドキしている。 嬉しいことは、苦しいことなのかもしれない。東城のことを呼び起こそうとすると、いつも苦しくなる。 広瀬は目を閉じた。このまま、彼の前で、意識をなくしてしまおう。

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