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第2話
東城は、広瀬の頭をぽんぽんと軽くたたくと、再度言った。「お知らせがあるんだが」
広瀬は、目をあげた。澄んだ灰色の目が自分をみている。両腕がブランケットからでてきて優雅に伸ばされた。その指先が自分を求めているようで、愛しくなって唇に軽くキスをした。
10回くらいキスを繰り返していたら、うっとうしがられて、額を押しのけられた。
「なんですか?」でてきた声はかすれている。寝ているうちに喉が乾燥したせいもあるが、昨夜、二人で楽しみすぎたせいでもあった。
「それが、石田さんが、もう来てるんだ」
広瀬の眉間にしわがよった。
「今は、朝ごはんの材料買いにいっててくれてるけど、もう少ししたら戻ってくる。おきて、身支度しといたほうがいい」
広瀬は、起き上がった。彼は時計をみる。「何時に来たんですか?」
「多分8時半前だと思う。俺がおきたときには来てたから」
広瀬は、バタバタと寝室で自分の服を探している。下着がどうしてもみつからないようだ。どこで脱がせたんだっけ、と東城も目で探しながら思う。もしかすると、ここではなかったかも。
「今は、いないんですよね?」と広瀬が早口でいった。
「ああ」
広瀬は、ほぼ裸で寝室をでて走って二階のシャワールームに入っていった。
「素早いな」と東城はあとからついていって顔を見た。
「服を持ってきてください」
広瀬の命令に東城はうなずいた。
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