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第16話

広瀬の眼尻や頬に、東城が唇をおとしてきた。温かい身体が自分の上に乗ってくる。その重みに広瀬は安心した。彼の息や体温が、自分が生きていることを感じさせてくれる。 シャツを腕から抜かれて上半身が裸になった。愛おしむような優しい目で東城が自分を見下し、手を身体にはわせる。行き来をする手に身体が蕩けそうになる。気持ちがいい。 ところが急に爪を乳首の先端にたてられた。 痛みに「あっ」と声をあげてしまう。 「寝そうだった」と東城が笑っていた。「寝るなよ」 「眠くなんかないです」と広瀬は反論した。やさしい愛撫を楽しんでいたのに、だいなしだ。仕返しに口を東城の肩に近づけて、噛みついた。 「いて」と東城は言った。「本気で噛むってなんだよ」と彼は言った。「もしかして、ひどくされたいのか?」 「まさか」広瀬は東城の絡みつく腕を避けようと、身体を彼の下から抜こうとするが、固定されてびくとも動かない。 「目が覚めた?」と東城はいい、乳首に歯を立ててきた。さらに、腹をなでて、後ろに手を回すと、するっと下半身も脱がせてしまう。「これからしばらくは、寝られないぞ」 そして、何の前戯もなく性器の先端を指で押してきた。 「なに?」 強く先端だけをこすられ、鈴口をこじあけられそうになり、かすかに痛みが走った。「や」と身体をこわばらせる。 その声に東城はすぐに手を放した。「痛かったか?かわいそうに」と彼は言った。 自分でわざとやったくせに、と広瀬は思う。 「ここに、入れると、いいらしいぜ」と東城は言った。 「え?」何をどこにいれるのだろうか。 彼が性器に口を寄せてくる。ペロリと、先を舐められた。「この中に、専用の器具を入れると、感じ方が半端じゃないらしい。殺菌されてる細い棒を入れるんだ。してみる?」 ぬるぬると舌が繰り返し先端を舐める。広瀬はかぶりをふった。「そういう遊びはしません」 「気持ちいいの好きだろ」 「そんなにしたいんなら、自分で自分にやっててください。俺を巻き込まないで」 東城は自分のを口に含んだまま笑った。「お前にするからいいんじゃないか。お前をすごく感じさせたい」 「自分が嫌なことは人にしてはだめです」 「お前が小学校の先生みたいなこというのは、あの伯母さんの影響だな」 しばらくの間、東城が音をたててフェラチオを続けた。このまま、ずっと続けてもらったら、いきたくてたまらなくなるだろう。

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